北海道建設新聞社
2012/08/28
【北海道】「新幹線」見据え、いぶり次世代鉄道政策研究会が会合
胆振管内4市7町の首長らで組織するいぶり次世代鉄道政策研究会(I―next)は24日、伊達市防災センターで2012年度の会合を開催した。新幹線の動きを見据えた取り組みや、オール胆振での広域連携体制を確認したほか、市民向けの講演会を初めて開いた。
座長を務める岩倉博文苫小牧市長は「新幹線が札幌延伸という新たなステージに立った今、胆振全体で認識を共有化し、一つになって戦略を練っていきたい」と述べた。
会合では、フリーゲージトレイン(FGK)導入の研究や電化・複線化を国やJRへ要望していくほか、鉄道を活用した観光の広域的な戦略、長万部駅での新幹線と在来線の乗り換え方策検討、特急列車存続による胆振地域の利便性確保―の3つを研究テーマに決定。任期満了に伴う座長改選では岩倉市長を再任した。
講演会には地元経済関係者らおよそ70人が参加。整備新幹線やFGK開発に携わる、国土交通省鉄道局の江口秀二技術企画課技術開発室長が、FGKのメカニズムや開発経緯などを説明した。
現在実用化のめどが立ち、本年度から試験3次車を製作、九州、北陸新幹線の一部で採用が決まったと報告。北海道新幹線の長万部駅について、「利用者が不便と感じないような乗り換え方法が課題で、地元からも提案が必要」と述べ、航空機移動と遜色ない利便性の確保へ工夫を求めた。