岐阜県は、建設業者が包括的に道路や河川などの地域の社会基盤の維持修繕などを行う「地域維持型契約方式」を試行するため、美濃土木事務所で27日、「県単地域維持事業美濃土木事務所管内土木施設維持修繕業務委託工事」の一般競争を公告する。同方式の試行は東海3県下では初の試みだ。
今回の試行では、道路維持修繕業務と河川維持修繕業務、砂防維持修繕業務、除雪業務を一つにまとめて発注する。工事場所は、関市下之保、富之保、中之保、上之保地内としており、これは旧武儀町と旧上之保村の一部にあたる。入札参加者は、同事務所管内に本店を置く建設業者で構成する地域維持型建設工事共同企業体を結成して参加する。企業体の構成員数は2〜10者。企業体のパターンは甲型(出資比率型)と乙型(分担工事型)の2種類。基本的には国土交通省の示した準則に沿った形での試行となる。工期は2013年5月31日までと2カ年度にまたがる。
県では、今回の美濃土木事務所以外の土木事務所でも試行に向けた調整を行っており、今後第2弾の試行案件の発注も見込まれる。
試行後には、その結果をフィードバックし、問題点や対応策などを精査した上で次年度以降の試行継続や、県全域での本格導入といった方針を検討していくことになる。
地域維持型契約方式とは、公共事業の減少によって疲弊した地域建設業の再生に向けた取り組みの一環として、国土交通省の建設産業戦略会議が導入を提言したもの。除雪や災害時の対応、社会資本の維持管理など地域のインフラ維持に不可欠な事業について、複数の工種・工区をまとめたり、複数年の契約単位で発注したりする。ほかの都道府県で同方式を導入しているのは青森県や秋田県、長野県などがある。
提供:建通新聞社