静岡県は、リサイクル製品の利用促進とリサイクル産業の育成を目的とした「静岡県リサイクル認定製品」の活用で、2012年度のモデル工事を40件程度に適用する方針を固めた。試行を開始した10年度(19件)や2年目の11年度(25件)よりも件数を増やし、リサイクル製品の消費拡大と定着を狙う。
県は、建設関連で認定されている「静岡県リサイクル認定製品」の使用を義務付けるモデル工事の試行を10年度に開始。土壌改良材や地盤改良材、透水性舗装用平板などの再生土木資材を、県が発注する土木・農林工事に適用する取り組みに着手した。10年度に19件、11年度に25件に適用している。
12年度は、すでに23件の工事に適用する方針を固めており(=表参照)、全体で40件程度のモデル工事を実施したい考え。今後、土木事務所や農林事務所が「施工基準を踏まえ、リサイクル認定製品の使用が可能かどうか」を判断し、対象案件を抽出して順次発注手続きを進める。リサイクル認定製品の多くが土壌改良材や地盤改良材、透水性舗装用平板など再生土木資材が中心であるため、道路工事や畑地帯総合整備、治山工事などが対象となる見通し。
モデル工事では、発注段階で特記仕様書の中に「静岡県リサイクル認定製品」の使用義務を明記。着工後、モデル工事の請負者に対して調査票を配布。請負者が@経済性A品質B安全性C施工性―の4項目を評価し、使用感や要望、課題などを報告する。
県は、循環型社会の構築を目指すことを目的に、05年度に認定制度を創設。11年度末で34製品(このうち建設関係が24製品)を認定している。工事発注の際、品質や価格面で当該品目と同等の認定製品がある場合、施工基準などに配慮しながら認定製品を優先して使用することとしている。
(2012/8/17)
建通新聞社 静岡支社