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建通新聞社四国
2012/08/10

【高知】物部川下ノ村の引堤に着手へ 高知河川

国土交通省高知河川国道事務所は、2012年度から物部川の下ノ村箇所での引堤事業と仁淀川の加田箇所での無堤部解消事業に着手するため、それぞれ用地交渉が始まっている。順調なら下ノ村箇所では14年度から、加田箇所も早期の工事着手を目指して今後、地元との協議を進めていく。
 香美市土佐山田町の下ノ村箇所左岸側は、山脚がせまり川幅が狭く、物部川で最も流下能力が低い箇所である。さらに引堤区間上流部の堤体断面が不足していることから、早急に河川幅を拡大し、流路を確保する必要がある。
 計画では、既設堤防を最大で40b引堤する。新設する堤防の延長は540b、天端幅5b、法面勾配1:3、高さは河床より約4bで計画高水位より1・5b高く設定されている。構造は河川側の河床より計画高水位までがコンクリート護岸で、それ以外は土堤となる。
 今後は、早ければ14年度より築堤工事に着手し、完成後に既設堤防を撤去した後、撤去部分に1:10程度の緩い勾配をつけ完成する。
 いの町の加田箇所では、旧堤防の仁淀川への張り出しや竹林の繁茂などにより、狭さく部となっていることから流下能力が低く、近年も出水による浸水被害が発生していることから、築堤および河道掘削を実施し、無堤部の解消と流下能力の向上を図る。なお上流部には既設堤防があるが、計画高水位に対してあまり余裕のない高さであり、断面も低くなっている。
 新設堤防の延長は780b、天端幅7b、法面勾配1:3で高さは河床より引堤部が4b、無堤部が7bとなり、計画高水位より2b高く設定されている。引堤部構造は河川側の河床より計画高水位までがコンクリート護岸で、それ以外は土堤。また、奥谷川が流れ込んでくる箇所に排水樋門を設置する。
 すべての用地買収が完了するまでに最低でも5年はかかると見られているため、先行して無堤部となっている下流側の用地買収が完了した時点で、築堤工事に着手する計画となっている。