北海道建設新聞社
2012/08/07
【北海道】美深に医療検査用培地生産工場−アイサイエンスが計画
医療検査用細菌培養資材の製造・販売を主業務とするアイサイエンス(埼玉県川越市吉田新町3の8の8、市川睦憲社長)は6日、培地生産工場を美深町に建設すると発表した。2階、延べ3050m²の規模で、投資額として9億5477万円を試算する。今後、施工者を選定し10月に着工する予定。2013年5月の完成、同7月の本格操業を目指す。
同社は05年に設立。微生物や生物組織を培養する際に使用する培地の生産を主な事業としている。埼玉県川越市に製造工場を所有するが、さらなる高機能な寒天培地の安定供給体制を構築するため、新工場の建設を決めた。埼玉の工場では一部の機能を残し、新工場で生産ラインの大部分を担う考えだ。
関連会社のティーエムエス(埼玉県川越市山田1858の1、生江茂社長)は工場内に検査場を構え、アイサイエンスの製品検査や食品衛生検査を実施する。
美深町に建設する施設は、工場棟と検査貯蔵棟で構成。町が管理している美深町開運町27の木材工場跡地に建設する。
計画によると、16年度には試験管培地2505万枚、特殊培地1002万枚を製造、約15億円の売り上げを目指す。雇用については操業当初で従業員30人を採用する方針だ。
6日、美深町役場を訪れた、市川社長と生江社長は工場建設を表明し、山口信夫町長らと握手を交わした。
会見で市川社長は、美深町での立地について、地震や台風などの災害リスクが少ない点や冷涼な気候などのメリットを挙げた。また自身が美深町出身であることから「人口が減少していくふるさとの現状を見て微力ながら活力を与えたかった」と、地元への産業振興が立地の大きな理由になったことを明かした。