瀬戸市は、市庁舎再整備事業の基本設計案をまとめた。総事業費は約32億円。6階建て延べ約6500平方bの新庁舎を既存の北庁舎のさらに北側の敷地内に建設し、北庁舎とシビックスクエア(中庭)を囲むように連結させる。新庁舎には免震構造を採用する。また北棟を耐震改修工事するほか、老朽化した南棟を解体し、跡地に駐車場を整備する。駐車台数は約170台。さらに既存西庁舎、東庁舎の内装工事も行う。
事業費の内訳は新庁舎の建設費が約21億4000円、外構工事が2億3000円、既存南庁舎解体工事が9000万円、既存北庁舎整備が6億円、産業廃棄物処理などその他関連工事が1億4000円。
基本・実施設計は久米設計(名古屋市中村区)が担当。8月に地域住民に説明会を開催しパブリックコメントを求める。9月ごろから設計に着手する。計画では実施設計を2013年3月末までに完了させ、13年4月には工事発注する見通し。完成は15年12月を予定している。
新庁舎の規模はプレキャストコンクリート造6階建て延べ約6500平方b程度で、免震構造を採用する。改修する北棟は鉄骨鉄筋コンクリート造6階建て延べ6210平方b。1〜2階部分に耐震ブレスによる補強などを実施する。
基本コンセプトでは@市民サービスの向上A環境にも人にもやさしいレイアウトB防災機能の強化―を掲げており、整備方針として▽シビックスクエアを囲む一体構成とし施設内連携を高める。旧庁舎と床面をフラットにそろえ、安全に水平移動できる歩行環境やバリアフリー対策を行う▽電気設備を屋上に配置し想定外の浸水に備える。防災広場の確保や新庁舎と既存庁舎を屋内通路で結び免震エキスパンションジョイントで接続する。受水槽は緊急遮断弁を設置する。防災広場に仮設トイレとなる汚水マンホールを設置する▽建築躯体や内外装材・設備機器に、耐候性・自浄作用のある材料や高耐久機器を採用する。外装は断熱サッシや複層ガラスを使用する。照明はLED照明、人感センサーなどの採用。省エネルギー型の設備システムを使用する▽太陽光集光システム、太陽光パネル、屋上緑化、アースピットによる地熱の利用など自然の恵みを取り入れた低炭素庁舎とすることなど―を盛り込んでいる。
既存庁舎は南庁舎を57年に建設、北庁舎を72年に、東庁舎を89年に増築している。
提供:建通新聞社