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建通新聞社四国
2012/07/27

【徳島】10月から申請受付 徳島県建設業BCP認定制度

徳島県は、県内の建設会社の事業継続計画(BCP)の策定を広く普及し、地域の災害対応力の強化を図ることを目的に「徳島県建設業BCP認定制度」を創設。建設業の災害対応力を強化させる取り組みを開始した。7月24日にBCP審査会の初会合を開き、会長に中野晋徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部教授を選出したほか、要領などの確認と同認定制度について意見交換した(写真)。今後は8〜9月に建設企業向けの申請書類など作成講習会の開催を県内3カ所で実施するなど、10月の申請受付に向けて準備を本格化させる。
 認定対象となるのは、徳島県建設工事競争入札参加資格のうち、土木一式工事の特A級およびA級に格付けされている県内に本社を有する建設会社(特A級30社、A級182社)。このうち四国建設業BCP等審査会で認定証を授与されており、認定の有効期間内の建設会社(県内32社)は「災害時の基礎的な事業継続力を備えている建設会社」として認定されているものとみなすことにしている。
 県では制度の概要や申請方法を説明するために、8月から9月にかけて県庁、阿南庁舎・美馬庁舎の3カ所で県建設業BCPの作成ガイドを基に説明会を開催する予定。順調なら10月に2週間程度の期間で申請を受け付け、10月から2013年1月にかけて事務局で書類審査する。審査は第1次審査と第2次審査があり、第1次審査を徳島県建設技術センター、第2次審査を県建設管理課建設業振興指導室で受け持ち、本審査要領に基づき申請書類の記載内容などの確認や必要ならヒアリングを行うことにしている。
 これら事務局の書類審査を経た上で13年2〜3月に開催される審査会で認定の可否を判定する。認定されれば、新規の場合、認定日から2年後の月末日、継続更新認定の場合は認定日から3年後の月末日が有効期間となる(有効期間内に継続更新申請を行った場合は、新認定証の交付日までが有効期間)。
 また、有効期間内に継続更新申請を行わなかった場合は現状の有効期間をもって失効し、継続更新が認められなかった場合はその非認定通知書の交付日をもって失効する。なお、虚偽記載などが判明した場合は不適合通知書を交付するが、不適合通知書の交付を受けた申請会社または認定を受けたが問題があり取り消しを受けた会社は、不適合通知書の交付日から1年間は再申請ができなくなる。
 認定企業は県のホームページ(HP)などで企業名を公表する。このほか認定企業を入札時に適正に評価する取り組みも検討することにしており、今後その内容を固めるとしている。
 「建設業は地域の防災力の要」として、南海トラフを震源とする東海・東南海・南海の三連動地震の発生時にいち早く対応し復旧の力となりうる建設業に、事前の対策を備えてもらい、早期に復旧対応が図られるようにし、結果として地域の防災力を高めるのが狙い。徳島県の取り組みは、当初国の南海トラフの巨大地震モデル検討会での被害想定を見据えた認定制度として進めたい考えだったが、被害想定の発表が遅れており、当面は既定の被害想定の下で建設業BCP認定を進めていくことにした。
 県内の土木工事業者1140社の2・8%(32社)しかBCP認定企業が存在せず、県内12市町村に1社も存在してない現状から「延期すべきでない。今ある被害想定を直していけばいい。まず認定が必要だ」などの審査会委員の声も反映した。今後県は、できるだけ多くの対象企業に認定を申請してもらうよう、直接的間接的アピールのほか、HPや電話などを通じて質問などにも応じるよう体制を整えていくことにしている。