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建通新聞社(静岡)
2012/07/27

【静岡】河床掘削や護岸で対応―田子江川河川整備計画で静岡県が原案

 静岡県は、「富士川水系富士山麓ブロック田子江川河川整備計画」の原案をまとめた。県管理区間上流端〜田子の浦港の延長約2`を対象に、時間雨量50_に対応する事業として、河床の掘削や護岸整備などを行う計画。地域住民などで構成する流域委員会での審議を経て、2012年度中に県としての計画案を固める方針。
 原案では、「安全で安心して暮らせる川づくり」「地域に愛される川づくり」を基本理念に設定。今後20年の間に田子江川で進める河川整備の方向を示した。
 河川整備計画の対象区間は、田子江川の県管理区間(JR東海道新幹線付近)から田子の浦港(河口)までの延長2010b。時間雨量50_に対応し、河口で毎秒55立方bの水を安全に流下させられるよう、河床の掘削や護岸整備などを行って河積を拡大する。整備の実施に当たっては、水深の変化や自然の河床材、水生生物の保全などに配慮するとともに、緑化ブロックなどで景観にも配慮する。
 また、県による第4次地震被害想定の策定後、田子の浦港の津波対策と連携した津波遡上(そじょう)対策を検討し、必要な対策を順次実施する。
 田子江川は、富士市蓼原を源流に、南南東に向かって国道1号と交差した後、海岸砂丘に沿って東側に向きを変え、五軒屋北堀(準用河川)と合流して田子の浦港に注ぐ流路延長3550bの富士川水系一級河川。流域のほとんどが市街地や工場で高密度な土地利用がされており、河口部で河床掘削や矢板護岸整備、下流域でパラペットによる築堤を行っている。しかし、抜本的な対策を行っていない上流・中流域では河川断面が狭く、依然として流下能力が不足しているため数年に一度の割合で浸水被害が発生している。
(2012/7/27)

建通新聞社 静岡支社