名古屋市は、低入札価格調査制度で導入している失格基準価格の適用を、政府調達協定(WTO)の対象工事(予定価格が19億4000万円以上の工事)にも拡大することにした。8月公告分から実施する。また、最低制限価格制度を公園・道路などの維持管理業務の委託契約にも導入する。9月公告・指名分から適用する。
市は、WTOの対象工事と総合評価落札方式の一般競争入札について低入札価格調査制度を運用している。2010年8月には、簡易型と特別簡易型の総合評価落札方式の入札について、工事の品質確保のために失格基準を導入した。今回、低入札価格調査制度の対象となる工事請負契約すべてに失格基準価格を適用する。これにより対象となるのは、全ての総合評価落札方式とWTO対象工事。市で実施している総合評価落札方式の一般競争入札はいずれも簡易型か特別簡易型。そのため今回新たにWTO案件が失格基準価格の適用対象となる。
失格基準価格の算定方法はこれまでと同様の調査基準価格の95%。
一方、新たに最低制限価格制度の適用対象になるのは、公園・道路などの維持管理業務の委託契約のうち予定価格を事前公表した案件。一般競争入札、指名競争入札いずれも対象となる。単価契約は除外する。
公園・道路などの維持管理業務は低価格入札が目立って多く、市議会からも問題として指摘を受けていた。
最低制限価格の算定方法は、予定価格の70〜90%の範囲で、@国の基準により算定した価格(直接工事費×95%+共通仮設費×90%+現場管理費×80%+一般管理費×30%)A当該入札の平均入札価格×95%(予定価格を超過した入札者と予定価格の70%に満たない入札者を除いて算出)―のいずれか低い額となる。ただ、その額が予定価格の70%に満たない時は70%、予定価格の90%を超える時は90%とする。
同市は、2009年4月から低価格入札に対応するため最低制限価格制度を導入しており、順次適用範囲を拡大してきた。すでに対象となっているのは、工事はすべての一般競争入札と指名競争入札。業務委託は、予定価格を事前公表した一般競争入札▽測量、建築設計・監理、建築設備設計、建設コンサルタント、補償コンサルタント、地質調査のうち予定価格を事前公表した指名競争入札―。
提供:建通新聞社