建通新聞社
2012/07/24
【大阪】大阪府都市整備部 南部水みらいセンターの太陽光発電 9月にも事業者公募 リース方式が有力
大阪府都市整備部は、南部水みらいセンターで計画している太陽光発電で、早ければ9月に事業者を公募する見通しだ。現在、募集要領などの細部を詰めている。事業方式はリース方式が有力。
南部水みらいセンターの所在地は泉南市りんくう南浜1。処理水量13万2,400M3/日。太陽光発電を設置可能な土地が約3万u(このほか施設の上部なども可能)あり、これを活用して太陽光発電を実施する。発電規模2メガワット程度を見込む。リース方式では、公募により決定した事業者が土地と施設上部を活用した太陽光パネルや設備を設置。これを大阪府が借り受け、発電した電力を電力会社に売り、リース費用などを賄う。府が土地を貸して民間企業が運用する賃貸方式も検討しているが、土地の賃貸料が高くなり、採算性に難があるため、リース方式が有力となっている。
同事業は、下水道資源を活用した処理場のエネルギー拠点化の第一弾となる。現在、府では14カ所の流域下水処理場が稼働中。敷地面積が広大で、下水処理水や下水汚泥などの資源も豊富なため、これを活用する。下水道事業に利用する見込みがなくなった用地や施設上部の有効活用を行い、循環型社会・低炭素まちづくりへの貢献や、新しい下水道の役割を果たす考え。
エネルギー拠点化のイメージは、@施設上部や用地を活用した太陽光発電A下水処理過程や放流水の落差を利用した水力発電B汚泥処理工程から得られるメタンガスを利用した消化ガス発電C脱水工程を経た汚泥を炭化(燃料化)し、電力会社などに販売D焼却施設からの廃熱を回収。蓄熱タンクに貯め、病院などに供給する廃熱利用−の組み合わせ。
新たな官民連携事業として事業化し、民間事業者が参画しやすく、下水道管理者と民間事業者の双方にメリットのあるスキームを構築していく考えだ。