国土交通省中部地方整備局は20日、総合評価落札方式の新たなタイプである技術提案評価型(S型)と段階選抜方式を試行する「平成24年度23号蒲郡BP清田道路建設工事」を公告する。競争参加資格は一般土木工事B等級。この資格での段階選抜の試行は、中部地整では初めて。段階選抜となる一次審査で上位10社を絞り込む。一次審査では、技術者の能力への評価のウエートを高めており、企業としての実績などが劣る場合でも、技術者が実績を持っていれば段階選抜を通過する可能性がある。
23号蒲郡BP清田道路建設工事は、愛知県蒲郡市清田町の工事延長240b、17万立方bの切土工などを、2013年12月3日までの工期で行う。
段階選抜となる一次審査では、同種・類似工事の施工実績や工事成績などに関して「企業の能力」と「技術者の能力」を見る。配点はいずれも最大15点で、合計点は最大30点。従来の標準型の総合評価と評価項目は同じだが、技術者の能力評価のウエートを高めている。中部地整では「企業の評価が低い場合でも、優秀な技術者を配置すれば一次審査に残る可能性が高い」(技術管理課)と話している。
二次審査では、技術提案(配点30点)を求めるとともに、技術者ヒアリングを実施する。ヒアリングは「不可」から「最優」までの5段階で評価し、ヒアリング係数(0〜1・0)を決める。総合評価の加算点は、一次・二次審査の評価項目のうち技術者の施工実績などと技術提案の評価点にヒアリング係数を乗じた上で、企業能力などの評価点を足し合わせて算出する。
新たなタイプの総合評価落札方式は、競争参加者と発注者の負担軽減と品質確保の観点で導入する。これまで簡易型と標準型、高度技術提案型の3タイプに分かれていた同方式を、企業と技術者の実績を見る「施工能力評価型」と、工事の難易度に応じて技術提案を求める「技術提案評価型」の2タイプに二極化する。案件によって段階選抜も適用する。12年度に試行、13年度から本格導入する。
技術提案評価型は、今回公告する23号蒲郡BP清田道路建設工事と、政府調達協定(WTO)対象の「平成24年度佐久間道路浦川地区第1トンネル新設工事」の2件で試行する。同トンネル工事についても第2四半期中に公告、段階選抜も適用する。
一方、施工能力評価型の試行対象は21件。木曽川上流工事事務所が18日に入札公告した「平成24年度長良川茶屋新田河道掘削工事」を皮切りに、順次公告していく予定だ。
提供:建通新聞社