国土交通省名四国道事務所は、2013年度以降に着工を予定している国道23号蒲郡バイパス(BP)の東部区間について、情報化施工を含む建設プロセスの合理化を検討する。対象となるのは愛知県豊川市為当町から蒲郡市清田町まで。一定区間の事業を対象にこうした検討を行うのは、同事務所では初めての取り組みとなる。
同事務所では12年度中に、先進的な情報技術の導入に向けた実験的な施工システムを設計する。今後、現在施工中の同BP西部区間を対象に同システムによるモデル工事を実施し、東部区間への展開方法を検討するとしている。
同BP東部区間は、蒲郡インターチェンジ(IC)から金野ICを経由して東三河ICまでの延長約9・1`。同BPは全線が地域高規格道路に指定されており、設計速度は時速80`。山間部を通るため、高架やトンネルの多い路線となる見通し。詳細設計はセントラルコンサルタント(名古屋市中区)が担当している。
12年度は、蒲郡市区間の延長約2・5`で用地取得に着手している。さらに、豊川市区間の延長約6・6`を対象に、用地の調査などを進めている。工事は、ある程度まとまった区間で用地が確保できた時点で着手したいとしている。
建設プロセスの合理化に際しては、建設会社が保有している情報通信技術(ICT)やシステムの調査と整理を行い、東部区間への適用性を検証する。同BP西部区間でのモデル工事をケーススタディとして、建設車両の適切な運行や作業の効率化に向けた課題を探る。
中部地方整備局は、国土交通省が13年度に導入を予定している建設ICTの「一般化」に先立ち、指定した一部の工事について複数の建設ICTを組み合わせる「中部標準化」を実施している。指定工事の発注に際しては、建設ICTを活用することで総合評価方式の加点対象となる。中部標準化の対象技術は、TS出来形管理▽MCモーターグレーダー▽MG/MCブルドーザー▽TS/GNSS締め固め管理▽MGバックホウ、MCアスファルトフィニッシャー−など。
提供:建通新聞社