建通新聞社(神奈川)
2012/07/10
【神奈川】 相模原市 市営墓地あり方検討委が会合
相模原市の市営墓地に関するあり方検討会は、6月29日に第6回会合を開いた。当初想定していた壁面墓地に替えて、敷地南東部に位置する緑地の一部を墓地として活用する可能性について意見を交わしたほか、計画している納骨堂の設置を検討。また、今後の墓地の在り方として公園墓地の機能を整理し、その中で、一定の使用期限経過後に他者の利用を可能とする循環型や合葬形式などを議論した。
相模原市全域における墓地需要は、2002年から21年まで約2万4000区画に達すると試算している。このうち、市は約2割に当たる5000区画程度を供給する体制を整える方針だ。
市営墓地は緑区内にある柴胡ケ原霊園と南区内の峰山霊園があり、柴胡ケ原霊園は既に整備を完了していることから、未整備地が残る峰山霊園の整備を見込んでいる。
3月に開いた前回の会合では、当初想定していた壁面墓地に替えて、敷地南東部に位置する緑地の一部を、墓地として活用する可能性を示唆した。
第6回会合は、前回に続き緑地の活用について検討、公園墓地として景観にも配慮し、既存の緑地を生かした合葬形式墓地として、樹木や広場などを中心に構成する樹林墓地などを参考例に挙げた。
また、敷地の南側にある、調整池に隣接して建設を想定している納骨堂についても、景観への配慮や循環型施設とする位置付けを協議した。
峰山霊園の場所は南区磯部4573ノ2。敷地面積は約16f(公園=約4・6f、墓域=約10f)で、約14・7fが整備済み(2011年3月時点)。墓所約7000区画と合葬式墓所約5000区画、自然散策の森、管理事務所、駐車場などで構成。
将来的に新たな霊園が必要となる可能性も考慮し、その在り方についても検討した。公園墓地としての機能を、墓地機能に加えて▽景観の形成▽環境保全▽防災(避難場所など)▽レクリエーション(コミュニティー、広場など)と整理。参拝者だけでなく、市民が憩い、広く利用できる施設を提案した。
その中で循環型など有期限を前提とした墓地供給や、合葬形式、無縁対策の方向性が示された一方で、従来型の墓地で希望があれば更新を認めるタイプにも根強いニーズがあり、当面は配慮を要すると指摘する意見も出された。
検討会は10月ごろまでに2回程度の会合を開いて報告書素案を作成し、年度内に市へ報告する。市は13年度以降に方針を策定して現計画を見直していく。