建通新聞社四国
2012/07/06
【徳島】月末までに最終方針 海部病院整備検討委
県立海部病院の移転改築に向けて同病院の整備の在り方を検討している徳島県は、同病院整備方針検討委員会の中間とりまとめ報告を受けて、2日からパブリックコメントを開始した。23日まで病院局経営企画課で郵送またはファクス、電子メールなどで受け付けている。県民の声を反映させ、7月末までに開かれる最終の委員会で整備方針をまとめる。整備方針のとりまとめを受け県は、今秋から着手予定の建築基本・実施設計(設計者選定も含め)にそれらを反映させていく考えだ。
中間とりまとめによると、「安全・安心な医療の提供」「高齢化による疾病構造の変化などへの対応」「災害時における医療体制の整備」「地域医療を担う人材の育成」を基本方針に挙げ、担うべき主要機能として、一般医療のほか、@救急医療A災害医療B感染症医療Cへき地医療D周産期医療Eがん医療F回復期・亜急性期などの医療G地域医療研修機能―を盛り込むとした。
具体的には診療科目を内科・小児科・外科・整形外科・脳神経外科・産婦人科・耳鼻咽喉科・放射線科・泌尿器科・皮膚科、(総合診療科)とし、現状をベースとする。病床数は現病院の110床を基本とし、病棟の構成についても現病院の病床種別(一般病床102床、結核病床4床、感染症病床4床)を基本に、急性期以外の地域の医療ニーズ(回復期など)や町立病院との役割分担、将来の診療報酬の改定などに柔軟に対応できるような病棟構成を検討することにしている。
また、施設整備の方針に当たっては、「災害に強い、安全で安心な施設」(被災患者受け入れ・治療などのスペース確保、高齢化などの地域性に配慮)、「快適な療養環境の施設」(病床1床当たりの十分な面積確保)、「地域に開かれた施設」(地域住民と医療従事者の交流の場づくり)、「環境にやさしい施設」(自然環境・省エネに配慮)、「医療スタッフが働きやすく魅力ある施設」(医療従事者の機能的な動線などに配慮)―を挙げた。 同事業は、県南地域の災害拠点病院としての役割を担う同病院について、県が抜本的な津波対策として国の地域医療再生臨時特例交付金を活用して津波被害を受けない安全な高台への移転改築に取り組むもの。既存の病院施設は鉄筋コンクリート造4階建て(塔屋付)の本館棟と2階建ての別館、3階建ての厚生棟で構成し総延べ床面積は7586平方b。医師公舎などの建物は総延べ1202平方b。
まだ、整備方針については今後も検討が図られることになるが、病床数など現状の機能をほぼ確保した改築の場合、新病院の床面積は現状よりかなり増床する見通し。計画地の確保と造成までは牟岐町が担当する。