スパークプラグなどの大手メーカー、日本特殊陶業(名古屋市瑞穂区高辻町14ノ18、尾堂真一社長)は、酸素センサの中枢部品センサ素子の生産力増強に向けて、小牧工場(愛知県小牧市岩崎2808)に原料工場を新築。併せて子会社のセラミックセンサ(小牧市横内字中横内391ノ5)の工場を増床改築する。いずれも施工を大林組名古屋支店(名古屋市東区)に依頼しており、2013年1月末の新工場完成に向けて整備を進める。また、スパークプラグ需要の増加に対応するため、岐阜県可児市で計画しているスパークプラグ用絶縁体の新工場建設計画についても、現在、コンペを実施中。11月の着工をにらんで、施工者の選定を進めている。
小牧工場の増強計画は、同工場敷地内に鉄骨造平屋一部3階建て延べ約7300平方bの新原料工場を新築。近くに立地するセラミックセンサの工場でも、現在の1階事務所、食堂部分約2100平方bを生産ラインに改築し、併せて事務所・食堂機能を持つ別棟を整備する。今回の整備で、生産能力は現状から約15%増加する見通し。建築と設備を合わせた投資額は、新築する原料工場が約22億円、増床するセラミックセンサの工場が約30億円。整備には小牧市と愛知県の産業立地に関わる補助金を活用する。
可児市の二野工業団地に計画しているスパークプラグ用絶縁体の新工場は、造成済みの敷地約11・5fに、総延べ床面積約7万8000平方b規模の建屋を計画。生産能力は第1次の操業時点で月産1350万本を見込んでいる。投資額は建屋と第1次の設備で約280億円。生産体制の強化に加えて、災害リスクを分散するために新工場の整備に踏み切った。14年4月からの段階的な操業を目指している。
同社の尾堂社長は4日、小牧工場の再投資計画に愛知県の産業空洞化対策減税基金を活用するため、県庁を訪問。大村秀章知事に同計画を報告し、意見を交換した。酸素センサ、スパークプラグともに同社は世界のトップシェアを占めており、今回の投資で「その地位をゆるぎないもとのする」考えを示している。
提供:建通新聞社