東海旅客鉄道(JR東海、名古屋市中村区名駅1ノ1ノ4)は、名古屋車両所など東海道新幹線の4車両基地(車両所)の耐震化を2012年度から実施する。検修庫など各施設を順次補強。15年までの完了を目指している。
対象となる車両基地・車両所は名古屋車両所 (名古屋市中村区)のほか、大井車両基地 (東京都品川区)、三島車両所 (静岡県三島市)、鳥飼車両基地(大阪府摂津市)の3カ所。いずれも定期検査・修繕などを行う検修庫を耐震補強する。主な補強工法はブレース補強と方杖補強を予定している。
検修庫に加えて、名古屋車両所では信号扱所(入出庫の際に進路制御を行う施設)が入っている事務所も耐震補強。三島車両所では同事務所を建て替える。また、三島車両所の電源室と、鳥飼車両基地の通信機器室でも耐震補強を予定している。
工期は検修庫の耐震補強が15年6月まで、信号扱所が入る事務所が15年12月まで、電源室と通信機器室が13年9月までを想定。工事費は総額約43億円を見込んでいる。
同社は、これまでに東海道新幹線の地震対策として第二指令所を新設。高架橋柱・盛土など土木構造物の耐震補強、脱線・逸脱防止対策、地震防災システムの機能強化に取り組んできた。また、現在も浜松工場や、電力・信号・通信の重要な電気関係機器を収容する建築物の耐震化を進めている。同社によると、今回、車両の検査や修繕を担う施設の耐震化に着手することで、新幹線の駅や列車運行に関わる建物がすべて耐震化される。
提供:建通新聞社