北海道建設新聞社
2012/07/02
【北海道】新幹線札幌延伸にゴーサイン−国交相、工期短縮の可能性に言及
羽田雄一郎国土交通相は29日付で、北海道新幹線札幌延伸など3区間の着工を認可した。同日の閣議後の会見で、北海道新幹線の整備期間について「大変厳しい試算をしているので、これより遅れることはないと認識しているが、早まるという可能性は、経済の動向によってはあるのかなと思う」と述べ、工期短縮の可能性に言及。併せて、トンネルを先行して整備する方針を示した。
羽田国交相は、北海道新幹線など3区間の着工認可について「3区間の整備により、ビジネス、観光の交流を促進し、地域の産業や社会に大きな効果をもたらす。それだけではなく、災害リスクへの備えなどの観点で、わが国の多重的な幹線交通体系が確保され、さらに環境負荷の小さい公共交通機関として、持続可能で活力ある国土を築くための礎となることを期待している」と述べた。
消費増税が議論されているが、本当に必要な公共事業なのかという質問に対しては「選択と集中を図りながら、真に必要な社会資本整備をしっかりと進めていく中で、新幹線は有効なものであると考えている」と回答。
その上で「公共事業関係費に過度に依存しないことを前提とし、自主財源である整備新幹線の貸付料を活用した上で、事業ペースを調整していく。時間をかけて整備することにしており、財政規律にも十分配慮したものだと認識している」とし、民間資金活用による社会資本整備(PFI)などを通じて、新幹線建設財源を確保することも検討する考えを示した。
工期については、経済情勢の変化によっては短縮する可能性を示唆。事業スケジュールでは「12年度事業は調査、設計、函館の総合車両基地などの建物。トンネルが相当時間がかかるので、準備費が付いている」と述べ、長大トンネルを先行して整備する考えを明らかにした。