国土交通省名古屋港湾事務所は、名古屋港で発生する浚渫(しゅんせつ)土の処分に向けて、新処分場候補地である中部国際空港沖を対象とした調査に2012年度から着手する。7月をめどに整備計画検討業務を簡易公募型プロポーザル方式で発注する予定だ。今後、12年度末まで、整備手法や周辺環境への影響などを調査するとしている。想定する埋め立て容量は3800万立方b。
13年度以降は、同空港沖で大まかな処分場整備地を割り出し、関係機関との協議を進める見通し。順調に進めば、環境影響評価などの手続きの完了後、公有水面埋め立て手続きに入るとしている。
整備に当たって影響を考慮するべき事項としては、漁業権区域、海上交通、空港運用、伊勢湾断層、経済性を挙げている。調査業務では、これらの事項について影響を最小限にするような整備地と整備手法を検討することが必要になる。
整備に当たっては、空港沖に護岸を築堤し、地盤改良を施す。護岸の延長は6300b程度を見込んでいる。地盤改良コストを削減するため、粘土層の厚さが10b未満となっている、水深20b未満の区域に整備地を設定する方針。
同事業では、毎年100万立方b余りが発生する名古屋港湾内の浚渫土砂について、既存の処分場(ポートアイランド)の収容能力が限界に近付いていることから、新たな処分場を整備する。
提供:建通新聞社