北海道建設新聞社
2012/06/29
【北海道】釧路市が学校耐震化PFI事業1期の入札を29日付で公告
釧路市は29日付で、総合評価方式による釧路市立学校施設耐震化PFI事業1期を一般競争公告する。参加グループは設計、施工、工事監理、維持管理で構成し、施工企業は建築、管、電気それぞれに市内業者を含めることが条件。価格と提案内容の配点比率は30対70で、特に施工中や完了後の教育活動への配慮にウエートを置いた。参加表明書は8月1―6日で受け付け、9月24日午後1時30分に市教育委員会室で入札する。
市は、民間のノウハウや遂行能力、資金力を活用することで、市立小中学校19校の早期耐震化と財政支出の平準化を図ることができると判断し、PFI導入を決めた。2期に分けて耐震化を促進。2期分は先行調査の結果を待ち、2013年8月以降に詳細を固める。
1期分は城山小、桜が丘小、春採中、鳥取中の4校で耐震補強と大規模改造(13年1月―15年3月)、維持管理(15年4月―22年12月)を実施。併せて2期分の武佐小、昭和小、美原小、共栄小、鳥取小、興津小、桜が丘中、美原中の8校の先行調査(13年1月―8月)を進める。
参加資格を見ると、SPCの設立は参加グループが判断。無しの場合は、施工企業が構成員3者以上12者以下とする建築、管、電気による特定共同体で、その他の設計、工事監理、維持管理企業と連名で契約を結ぶ。全て道内に本店か支店、営業所などを置く者とする。
工種ごとに市内業者を含めることを条件付けた施工企業は、市の建築、管、電気のA等級で、建築は市内での耐震補強実績を求める。設計と工事監理は、建築設計の有資格者で1級建築士事務所登録をしている者。維持管理は建築か建築設計を要件とする。
選定方法は、資格審査をする1次審査、入札後に価格や基礎審査や加点審査をする2次審査で構成。基礎審査を通過した提案内容は審査委員会で評価する。配点は、入札価格が満点30点に対し、提案内容が70点と高い。
項目は、事業計画が事業推進の確実性とリスク管理で各9点。耐震補強・大規模改造は、学校教育活動などへの配慮がメーンで、工事中で14点、工事後で12点を付与するほか、工事の実現性で6点、環境配慮で5点など約6割の41点を占める。
先行調査は4点、維持管理は2点。地域社会への貢献は5点とし、災害時の体制や市内から資材調達などの提案を評価する。
市では「利用しながらの施工のため、安全面を含め、いかに学校活動に支障を与えないかがポイントになる」と話している。
7月2日以降に診断報告書と参考図書を貸与する。2回目の現地見学会は同7日、説明会は同9日に開催。8月13日の資格審査結果の公表後、同20日に個別対話を予定している。
9月24日の入札時に入札書と提案書各1部を持参する。10月16日まで2次審査をし、同17日に落札者を決定。事業締結は12月下旬で、22年12月末までを契約期間とする。