名古屋市上下水道局は、市で最も深い位置に建設することになる「江川ポンプ所」の新設に向け、2013年度の詳細設計発注を目指している。
江川ポンプ所は、08年8月末豪雨で被害を受けた地域を対象とする第2次緊急雨水整備事業で新設が計画された。同事業の対象地域である中川運河上流地域の雨水を排水する。中川運河上流地域は名古屋駅エリアを含む、中川運河北側の西区、中村区の約700f。このうち江川ポンプ所は約558・1fを対象とする。処理能力は毎秒約10立方bを想定している。
ポンプ所の建設予定地は中川区西日置町。江川線沿いの松重閘門公園付近の地下を予定している。すでに他の管などが埋設されており、流入管はその下をくぐらせる必要があるため、ポンプ所の深さは50〜60b程度となる見込み。これは市では初めての深さ。
10年度に基本設計をパシフィックコンサルタンツ中部支社(名古屋市西区)に委託して行っている。当初の予定では11年度に詳細設計を実施し、12年度から建設工事に着手する予定だった。しかし難しい工事となることが想定されるため、流入管の検討や他都市の事例調査などを行い、課題を調整してから詳細設計に着手することにした。同局は13年度に詳細設計に着手したい考えだが、具体的な時期は決まっていない。工事には7カ年程度かかる見通しだ。
提供:建通新聞社