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建通新聞社(静岡)
2012/06/25

【静岡】発注時期など検討―奥野ダム小水力発電で静岡県

 静岡県は、県と伊東市が管理する奥野ダム(伊東市鎌田)への小水力発電設備導入で、2012年度に発電設備工事を発注する。7月にスタートする再生可能エネルギー固定価格買取制度などを踏まえ、売電収益の取り扱いなどについて利水者である伊東市と調整を進めながら、工事の発注時期などを固める。
 奥野ダムは、伊東大川(松川)の洪水調節と伊東市への上水道供給を目的に、伊東大川の河口から約6`地点に県と伊東市が建設した多目的ダム。堤高63b、堤頂長323b、総貯水容量510万立方b、有効貯水容量460万立方bのロックフィルダムで、1989年に完成した。
 通常、同ダムの水は、伊東市に水を供給したり下流の維持用水に流す「取水塔」のルートと、大雨などで貯水位を超えた水をダム下流に流す「常用洪水吐き」のルートの二つで処理している。
 小水力発電設備の導入に当たり、常用洪水吐きに流れる水を制限し、通常時の水の流れを取水塔に集約。取水塔から流れてきた水のうち水道用の水を分離した後、ダム下流に放流する水の力を利用して発電する。川に流す水の量や水道用の水を調節するためのゲート付近にバイパス管を設け、そこに発電機を設置する。
 水道用の水を除いた水量は最大で毎秒0・64立方bあり、約27bの(有効)落差を使って最大出力120`h(一般家庭125世帯分の使用電力)の電気を発電。ダム管理用にその電気を利用し、余剰電力を東京電力に売る計画。設計業務は東電設計(東京都台東区)が担当した。
 県では今後、伊東市との協議などを進めて工事の発注時期を固めるが、今秋以降となりそうだ。
(2012/6/25)

建通新聞社 静岡支社