愛知県企業庁は、尾張地域の尾張西部浄水場と犬山浄水場の排水処理施設にPFI事業を導入する。具体的な実施年度は検討中だが、常用発電機の導入可能性を見極めた上で排水施設の形式を決め、実施方針などを策定する。
浄水処理に直接影響を与えない汚泥の脱水処理から発生土の有効利用までの工程にPFI事業を導入する。事業期間は20年間、事業形態はサービス購入型、事業方式はBTO方式を採用する。
犬山(犬山市大字犬山字東洞15)の水道用水の給水能力は1日当たり34万4300立方b。尾張西部(稲沢市祖父江町祖父江柳原86)の水道用水の給水能力は同16万9000立方b、工業用水の給水能力は同29万立方b。
犬山は脱水機を3基、尾張西部は1基設置している。PFIを導入すれば、事業期間中に老朽化した脱水機を更新する必要がある。
現在、犬山と尾張西部に常用で発電するガスコージェネレーションシステムの設置を検討しており、基本調査を長大名古屋支社(名古屋市中村区)に委託して進めている。電力会社からの電力供給が停止した場合だけでなく、平常時も使用して電力供給を”二重化”する。
もし導入することになれば、システムの排熱を有効活用した汚泥の排水処理も考えられるため、この結果を考慮した上でPFIの実施方針を策定する必要がある。
企業庁は、2002年度にPFI導入可能性調査を行い、県内を愛知用水、三河、尾張の3地域に分割して導入を進めることを決めた。愛知用水(知多、高蔵寺、尾張東部、上野)は06年度、三河(豊田、幸田、安城、豊橋、豊川、豊橋南部)は11年度からPFIを導入している。
提供:建通新聞社