納屋橋東地区市街地再開発準備組合(名古屋市中村区名駅南2ノ6ノ17、羽澄公義理事長)は21日、納屋橋東第一種市街地再開発事業を実施するため、事業提案方式による特定業務代行者と参加組合員予定者の募集を公示する。参加意向表明の申請は25日から7月2日まで。事業提案書などの提出は10月1日から3日を予定している。
特定業務代行の内容は@事業推進活動と組合運営などの支援A事業資金の立て替えと協力B調査設計・工事施工C保留床処分、テナント誘致などに関する協力―の4点。 応募資格は再開発準備組合と都市再生機構中部支社のホームページで公表する予定。参加希望者は、意向表明を行い、資格基準を満たすことが認められれば、事業提案書作成要項などの詳細な資料を受け取ることができる。
再開発事業の対象区域は、名古屋市中区栄1ノ1ノ201ほかの敷地面積約1万1000平方b。4月までにまとめた構想案「納屋橋ルネッサンスタウン」では、北側の敷地(約6700平方b)に住宅棟と業務棟、低層商業施設を整備し、南側(約3900平方b)に定期借地によって商業施設を誘致する計画を明らかにしていた。
同構想での施設規模は、住宅棟が34階建て、延べ床面積約4万1500平方bで350戸。棟内には270台分の機械式駐車場も整備する。
オフィスなどが入る業務棟は、10階建て、延べ床面積約1万1000平方bとし、地下に2段式の駐車場152台分を確保。業務棟低層部から木挽町通り沿いに整備する低層商業棟は、2階建て、延べ床面積約3800平方bとしていた。
南側の商業棟は地下1階、地上5階建て。1階と2階の延べ床面積約6200平方bを商業施設、地下1階と地上3〜屋上階の約1万6900平方bを360台分の駐車場とした。
これらを合わせた総延べ床面積は約8万2000平方b。計画容積は北側が725%、南側が430%となっている。
事業のコーディネートは都市再生機構中部支社が担当しており、今回の公募でも同支社都市再生業務部市街地整備チームが事務局となっている。
事業代行者の選定は11月ごろを予定。代行者が行う基本計画と基本設計は、2012年度中の着手を見込んでいる。順調に進めば、13年度に再開発準備組合が本組合に移行する見通し。14年度の着工を目指して、発注に向けた準備を進める。
[特定業務代行]民間事業者の資金調達能力や専門的なノウハウを活用するために1996年に創設された業務代行方式のうち、保留床の処分について責任を持つとともに、工事施工を含めて代行する制度。業務代行者は、事業推進に必要な資金の確保や転出者への対応なども代行する。これまでの事例では、建設業者や不動産業者、生命保険会社、信託銀行、コンサルタントなどが単独、または共同企業体で代行者となっている。
提供:建通新聞社