名古屋市は、無作為抽出の市民判定員と有識者が事業の廃止や継続などを判定する外部評価の2012年度の対象事業を公表した。15事業が対象で、建設関連では「公園維持管理事業」が対象となった。外部評価は7月27〜29日の3日間に渡って開催される。
市は11年度から新たな行政評価として、市民が参加し、公開で行う外部評価制度を設けた。12年度は2回目となる。外部評価は、庁内で内部評価を行った事業や市長が必要と判断した事業の中から、市民や有識者の視点で方向性を議論する必要があると判断された事業を対象に行う。市民判定員や有識者は「廃止・撤退」「民営化」「見直し」「継続」の4区分に判定する。
今回の対象事業は15事業で、建設関連では、公園の維持管理が対象となった。市内には約1400カ所の公園があり、12年度予算には維持井管理費として30億3194万円計上している。内訳は除草・清掃などの委託料が約14億円、施設維持などの工事費が約8億円、水道・光熱費が約8億円。安全性の面などで行政が責任を持つべき部分、民間に委託できる部分、市民団体など地域の公園利用者などに任せる部分を整理・見直しし、経費削減の方策を検討する。また、公園の利活用の推進策についても話し合ってもらう。
そのほかには、市営路外駐車場(大須駐車場)やポンプ所維持などが対象となっている。大須駐車場については、現在は指定管理者制度を導入しているが、さらなる民間活力の導入として民間移管の検討や、駐車場以外の利用も視野に入れた施設の在り方を議論する。ポンプ所維持は、業務の繁閑に差があるため、業務を行う職員をほかの業務に従事させるなどの人材活用を検討する。
外部評価の対象事業と併せて、外部評価に先立って行われた内部評価の結果も公表された。内部評価の対象となったのは167事業。このうち5000万円以上の事業で、11年度に評価票を作成していない94件について評価票を作成した。94件のうち企業局を除く案件について、改革担当部門である総務局が意見を出している。改善・見直しが28件、その他が64件で、廃止との意見を出したものはなかった。
総務局が改善・見直しとの意見を出した事業のうち、建設に関連する案件は「都市防災事業の推進」「太陽光発電設備・太陽熱利用設備設置費補助」など。
都市防災事業の推進については、補助の上限額を下げるなどの制度の見直しを検討する必要があるとした。
太陽光発電設備・太陽熱利用設備設置費補助については、下落傾向にある設備の市場価格の動向を注視して補助単価を改定する必要性を指摘した。
提供:建通新聞社