林野庁中部森林管理局は、国有林と民有林を一括して整備・管理する共同施業団地を、愛知県内に最低でも1カ所設置する方針を明らかにした。今後、同局愛知森林管理事務所が、愛知県や県内市町村と調整を進め、共同施業に向けた協定の締結先となる民間事業者を探す。
共同施業団地は、国と森林管理組合をはじめとした民間事業者で協定を締結し、国有林と民有林をつなぐ路網整備や治山を国が一括して行う。同局管内では、岐阜県・長野県などで共同施業団地の設置事例がある。
愛知県内では、県内2流域のうち、東三河流域に国有林が集中しており、当面は新城市を中心に共同施業団地の設置に向けた調整を進める見通し。特に、新城市や設楽町など、愛知県東部で静岡県との県境付近が検討対象となる。
尾張西三河流域では、瀬戸市や犬山市の国有林をレクリエーションの森と位置付け、地域の利用を促進している。今後は、東三河流域と同様に、共同施業団地の導入を積極的に図る。
愛知県内の国有林は総面積約1万1000fで、県内森林の5%に相当する。このうち、東三河流域が7642f、尾張東三河流域が3282fとなっている。人造林率は全体で84%と高く、特に東三河流域は人造林が88%を占めており、水土保全に向けた継続的な森林整備が必要となる。
4月には愛知県新城設楽農林水産事務所と新城市森林課を同一庁舎内に集約した新城森林総合センターを開所し、同センターと愛知森林管理事務所で、共同施業団地の導入に向けた協議を進めている。
提供:建通新聞社