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建通新聞社(中部)
2012/06/13

【愛知】名市 学校津波避難ビル化 6月補正で発注

 名古屋市教育委員会は、大地震に備え、港区・南区内で津波避難ビルに指定されていない小・中学校について、指定に向けて必要となる施設整備を実施する。7校でのフェンスの設置工事費と設計費、17校での屋上に上がる階段設置の設計費を6月補正予算に計上する方針。議決されればすぐにも設計を発注したい考えだ。
 市は、東日本大震災を受け、東海・東南海地震に備えて津波避難ビルの指定を進めている。津波避難ビル指定等推進事業の対象区域となっている港区・南区内では、小・中学校も指定しているが、20校については指定要件を満たしていない。津波避難ビルに指定するためには、耐震性を満たしていることのほか、鉄筋コンクリート造か鉄骨鉄筋コンクリート造で、4階建て以上か、人が屋上に上がることができる3階建てでなければならない。指定されていない20校はいずれも3階建ての校舎。屋上のフェンスや、屋上に上がるための階段がないことが理由で指定されていない。
 同委員会は現在、指定に向けて必要となる施設整備の調査を進めている。できるだけ早い着手を望む声があることなどから、フェンスの設計費と整備費、階段設置の設計費を6月補正予算に計上することにした。
 フェンス設置工事の対象となるのは▽西築地小▽野跡小▽神宮寺小▽豊田小▽千鳥小▽宝小▽柴田小―の7校。議決後すぐにも設計を発注する予定。工事も12年度中に発注し、年度末までに完了させる。設計や工事を分割して発注するか、一括して発注するかはこれから検討する。 
 階段の設置を行うのは、▽成章小▽西福田小▽福春小▽東港中▽南陽中▽豊田小▽白水小▽大生小▽千鳥小▽宝小▽柴田小▽伝馬小▽星崎小▽宝南小▽本城中▽名南中▽南光中―の17校。議決後すぐにも設計を発注する。数校ずつ分割して発注する予定だが、詳細な分け方はこれから検討する。12年度末までに設計を終え、工事は13年度に着手する予定だ。
 豊田小▽千鳥小▽宝小▽柴田小―の4校については、現在も屋上に上がるための階段があるが、点検用などで狭く、避難用として十分とは言えない。そのため階段の設置も実施するが、万一に備えて先にフェンスを設置しておく。

提供:建通新聞社