建通新聞社
2012/06/12
【大阪】大阪府住宅まちづくり部 府営泉佐野東羽倉崎住宅(中層耐火地区)など3団地 建て替え中止へ 活用地増加
大阪府住宅まちづくり部は、11日開催の2012年度第1回建設事業再評価監視委員会(委員長・星野敏京都大学大学院教授)で、府営泉佐野東羽倉崎住宅(中層耐火地区)など3団地の建て替え事業を中止(一部中止含む)する方針を示した。12月に予定している委員会の意見具申を受け、正式に事業を中止する考えだ。
府は、本年3月に「大阪府営住宅ストック総合活用計画」を発表。この中で、「建て替え事業は、現入居者戸数を基本とし、耐震性の低いもののみ」とする方針を示した。今回の3団地はこれに当てはまり、対象外の計画を中止とするもの。
府営泉佐野東羽倉崎住宅(泉佐野市東羽倉崎町)では、中層耐火地区(敷地面積3.28ha)の中層耐火4階建て・540戸(1964年度建設)を14階建て・470戸に建て替える計画だった。総事業費は約78億8,000万円を概算。2012年度の工事着手を予定した。
しかし、耐震性の低い住棟の住民は建て替え住宅への移転を完了しており、耐震性の確保は充足したと判断。中層耐火地区の建て替えは中止する方針とした。540戸は老朽化しているものの、「耐震性有り」と判断して維持管理を継続する。
府営貝塚森住宅(貝塚市森)は、敷地4.35haの簡易耐火住宅を4期で建て替え、10〜12階建て・502戸を建設する計画(全体事業費約88億5,000万円)。これまでに第1期、第2期で323戸を建設した(投資済み約47億4,000万円)。
住宅まちづくり部は、「入居者の安定を確保するのに必要な戸数はすでに建設した」とし、第3期、第4期で計画の2棟179戸を中止する方針。これにより活用用地は従来計画の0.68haから1,25haへと倍増する。
府営和泉寺田住宅(和泉市寺田町)は、敷地2.32haの簡易耐火住宅を3期で建て替え、6〜12階建て・330戸を建設する計画(全体事業費約59億1,000万円)。これまでに第3期の1工区まで276戸を建設または建設中(投資済み約39億5,000万円)。
住宅まちづくり部は、必要な戸数はすでに建設中とし、第3期2工区を中止する方針。これにより活用用地は従来計画の0.61haから1.02haへと増加する。