愛知県と名古屋市は、庄内川上流圏域を対象とした河川整備計画について検証を進めている。すでに河川法に基づく国の認可を受けており、2011年度内に公表する予定となっていた。しかし11年9月20日の台風15号で同圏域内の河川が越水するなどの被害が生じたため、被害が起こった箇所の整備計画が適切かどうか検証している。
同計画は、八田川や内津(うつつ)川など、庄内川の支川について30年間を期間とする整備計画を定めるもの。国土交通省庄内川河川事務所が庄内川の水位低下対策について検討しているため、国と連携した整備計画にする。原案のままでも問題がないとされた場合は認可申請を行わず、計画の変更が生じた場合は改めて申請する。
原案は、矢田川、香流(かなれ)川、天神川、瀬戸川、八田川、内津川、地蔵川、野添川の8河川について整備計画を定めた。野添川は名古屋市、そのほかの河川は県が河川管理者となる。
矢田川は、宮前橋から瀬戸川合流点下流の仮落差工までの延長9・3`は改修が完了している。しかし、その上流部の仮落差工から瀬戸川合流点までの約0・9`では流下能力が不足しているため、河床掘削、護岸整備、落差工整備、橋梁補強などの河川改修で流下能力を増大させる。
瀬戸川合流点より上流部では、天白人道橋上流から菱野橋下流までの約0・5`で流下能力が不足しているため、落差工(取水堰)と堤防の整備、河床掘削で流下能力を増大させる。
香流川では、香月人道橋から名古屋第二環状自動車道下流(延長約0・1`)、延珠橋下流から新藤森橋上流(延長約1`)、岩作橋下流から南島橋下流(延長約0・3`)で河床掘削、護岸整備、落差工整備、橋梁補強などを行う。
天神川は、天神橋上流から前田橋下流(延長約0・2`)で堤防の嵩上げ(パラペット工)を行うほか、前田橋上流から名鉄瀬戸線の橋梁下流(延長約0・6`)で河床掘削、護岸整備、落差工整備、橋梁補強などを実施する。
瀬戸川は、矢田川との合流点から共栄橋下流(延長約1・1`)と、瀬戸橋下流から記念橋下流(延長約0・7`)で河床掘削、護岸整備、落差工整備、橋梁改築などを行う。
八田川は、御幸橋上流から美濃橋下流(延長約2`)でパラペット工、美濃橋上流から新木津用水流入点(延長約2`)で河床掘削、護岸整備、堤防整備、落差工整備などを施工する。
内津川は、新松本橋上流から泉橋上流(延長約1`)と、御天王橋上流から国道19号上流(延長約0・9`)で河床掘削、護岸整備、堤防整備、橋梁改築などを行う。
地蔵川は、東名高速道路の下の函渠を改築する。延長は約0・1`。
野添川は、庄内川合流点から新筧橋下流までの延長約1・8`で河床掘削、護岸整備、堤防整備などを行う。
提供:建通新聞社