建通新聞社(中部)
2012/06/05
【岐阜】県立希望が丘学園ほか再整備事業設計プロポ 安井・サニー設計JVを特定
岐阜県は、岐阜市鷺山地区にある「県立希望が丘学園」と「県立岐阜希望が丘特別支援学校」の一体的に再整備をするため、基本・実施設計の委託先選定ををプロポーザル方式で行った結果、安井・サニー設計JVを最適設計候補者に選定した。
県は今後、最適設計候補者と設計委託契約を随意契約で結ぶ予定。設計者は契約後に基本設計に取り掛かり、2013年4月ごろには実施設計まで完了させる予定となっている。また、これと並行して計画地の造成設計、地質調査、測量も実施する計画だ。工事発注については、13年度末ごろ、完成は15年度中が見込まれる。
今回の「岐阜県立希望が丘学園および岐阜希望が丘特別支援学校再整備事業設計プロポーザル」は、11年12月に参加者の募集を開始し、7者が参加を表明し提案書などを提出した。選定委員会(委員長・松本直司名古屋工業大学大学院教授)は、第1次審査で5者に絞り込み、第2次審査でヒアリングなどを行い総合的に評価した結果、最適設計候補者に安井・サニー設計JV、次席者に大建・葵設計JVを選定し、県に対して推薦した。
最適設計候補者の安井・サニー設計JVの提案は、基本的な考え方を「ひとりひとりの『生きる力』をはぐくむ総合支援の場」とし、施設の象徴の「希望が丘ひろば」というランチルームを中心に、開放的で子供たちの意欲を高める仕組みが計画されていることなどを含め総合的に評価された。
計画地は隣接する旧伊奈波中学校の跡地(11年度末で閉校)約2万7000平方b。計画規模は、希望が丘学園が延べ約6600平方b(入所定員50人、通園定員40〜50人、病院や医療型障害児入所施設、医療型児童発達支援センター、発達障害者支援センター―などを整備)、岐阜希望が丘特別支援学校が延べ約6800平方b(定員90人、小中学部教室、特別教室、高等部教室、管理関係諸室、第2期で整備する体育館など)。学校、学園共に構造は鉄筋コンクリート造で、2階建て程度とする見込みだが、詳細は設計業務の中で詰めていく。計画地内の旧伊奈波中学校の既設建物については、岐阜市が12年度に解体撤去する予定で、大建設計(岐阜市)が解体設計を担当して進めている。また、計画地内には現在、市道が通っており、市道の廃止や、開発許可、市道の新設などが必要。
希望が丘学園は1974年に開設した肢体不自由児施設兼入園施設で、既設規模は鉄筋コンクリート造2階建て延べ4490平方b。病院、肢体不自由児施設のほか、発達障害児の診療・相談機能などを有しているが、施設の老朽化や狭隘(きょうあい)化による機能低下、医療機器の老朽化や不足、小児救急医療との連携強化、発達障害児への支援強化などが課題となっていた。
一方、岐阜希望が丘特別支援学校は79年に希望が丘学園に合築する形で設置された小・中学部で構成する学校で、既設の規模は鉄筋コンクリート造2階建て延べ2116平方b。現在児童生徒数は約55人(うち学園入所児約20人)。子どもかがやきプランに基づき、新たに肢体不自由児の児童生徒も対象とする特別支援学校として整備するほか、小学部から高等部までの一貫した教育や医療と連携した教育の充実を図ることにしている。