建通新聞社(中部)
2012/06/05
【三重】県 松阪特別支援学校 三重中京大学へ
三重県教育委員会は、松阪地域に設置を予定している県立特別支援学校の建設地を松阪市久保町の「三重中京大学」の敷地とすることを決めた。5月31日に行われた「松阪地域特別支援学校の整備推進協議会」(松阪市などで構成)で建設地として合意したことを受けて発表した。今後、同校が2013年3月に閉学するため、2013年度以降に県が土地を取得し、整備を進める考えだ。三重中京大学側も5月29日に行われた定例理事会で同校の一部を特別支援学校の整備用地として有償譲渡することを決定していた。
県立特別支援学校の整備に当たって県は、「県立特別支援学校整備第2次実施計画」の中で、中勢・松阪・南勢志摩地域について、玉城わかば学園(玉城町宮古)の児童生徒の約半数が居住する松阪地域(松阪、多気、飯南)に新たに特別支援教育のセンター的機能を担う拠点となる特別支援学校を整備することを検討していた。
計画では、三重中京大学(松阪市久保町1846)の敷地(幼稚園など含む)約8万2000平方bのうち約1万平方bを学校敷地として県が購入する。グラウンドは無償で借りる予定。対象地区は、大学本館、体育館、6号館、8号館がある敷地。対象となる校舎は梅村学園が解体・撤去する予定。
三重中京大学は、梅村学園(名古屋市昭和区)が運営。1982年に松阪大学として設置され、05年度に現学校名に改名した。同大短期大学は11年3月に閉学し、13年3月に同大学が閉学する。既存の梅村幼稚園、三重中学校、三重高等学校は存続する。閉学した学校施設のうち、売却対象外の用地の施設は当面残す形となるが、利用用途は未定。
一方、県は、東紀州地域の県立特別支援学校の整備について、東紀州くろしお学園を県立紀南高校(御浜町)敷地内に統合する計画で、11年度に設計を実施していた。しかし、11年9月の紀伊半島大水害で、紀南高校が水害被害を被ったことと、県が策定した津波予想図で浸水被害が想定されてことから、同地での統合計画を白紙にする判断を11年度に決めた。このため、12年度以降、移転先を選定して、計画を再考することにしている。