建通新聞社(中部)
2012/05/22
【愛知】名古屋国道 LED道路照明の整備を本格化
電力不足対策が懸案となる中、国土交通省名古屋国道事務所は2012年度から名古屋市内で消費電力の少ないLED道路照明の整備工事を本格化する。現在のところ、6月をめどに2件を初弾工事として公告する予定。整備する照明の数は合計500灯程度を見込んでいる。第1四半期内に発注を予定しているのは2件だけだが、今後、予算配分を見て発注工事を追加する可能性もある。
同事務所の管内には約1万1000灯の道路照明施設があり、今後は順次、LED照明への切り替えを進める。消費電力を抑え道路施設のランニングコストを下げるため、設置年度の古い照明から更新していく方針。
工事を発注する際は、設置するLEDの仕様を、中部地方整備局が取りまとめる技術仕様書に準拠して規定する。技術仕様書に先立つ「LED道路・トンネル照明導入ガイドライン」は、国交省が11年9月に策定済み。ただし、ガイドラインでは連続照明や交差点部の局部照明のみが取り上げられており、同事務所が整備を予定しているような、単独照明が不規則に続く道路は規定されていない。なお、整備時は、既設照明がポールの上部に付いているような形式の場合、照明の部分のみを取り換える。
現在、発注内容が確定しているのは「第一出張所管内道路照明設置」と「第一・第三出張所管内道路照明設置」の2件。工事規模は、いずれも8000万円以上1億2000万円未満となっている。
「第一出張所」で対象となるのは、国道22号中区三の丸交差点付近から国道19号熱田神宮南交差点付近まで▽国道19号勝川付近▽国道1号南区星崎1から豊明市との市境付近まで。
「第一・第三出張所」では、国道1号中川区高杉東交差点から瑞穂区松田橋交差点付近までが対象となる。
同事務所の試算によると、500灯分の照明をLEDへと更新することで、消費電力量を年間約42万5000`h時から約27万4000`h時にまで削減できることになる。節約できる電気代は約240万円。
同事務所では、11年度にLED道路照明の設置を試行している。名古屋市名東区の上社交差点で、高圧ナトリウムランプからLEDに更新し、消費電力を87h低減した。