トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北海道建設新聞社
2012/05/22

【北海道】三笠市がジオパーク構想推進へ始動−13年度登録申請目指す

 三笠市は2012年度、三笠ジオパーク構想推進事業のスタートを切った。歴史と鉄道、炭鉱遺産といった、これまで築いてきた豊かな地域資源を総合的に活用し、新たなまちづくりにチャレンジする。空知地域では初となる日本ジオパークネットワークへの加盟を目指す。構想推進協議会を早期に立ち上げ、早ければ13年度にも登録申請する予定だ。
 ジオ(地球)パークは貴重な地質や地層を含む一種の自然公園。自然と人間との関わりを理解する場所として整備し、科学教育や防災教育の場として、また新たな観光資源として地域の振興に生かす。
 道内では洞爺湖有珠山、アポイ岳、白滝の3地域が登録認定を受けており、日本ジオパークネットワークに加盟している。昨年9月には、日本ジオパーク大会が洞爺湖有珠山ジオパークで開催されるなど、その注目度は高まりをみせている。
 三笠市は、まちの成り立ちから自然科学分野の社会貢献に至るまで、市内に分布する石炭層という地質を活用して発展を遂げてきた。
 1868(明治元)年に石炭層が発見され、囚人を石炭採掘に従事させることも目的に空知集治監を設置。以後、日本で3番目となる小樽手宮―三笠幌内間の鉄道が敷設されるなど、石炭のまちとして隆盛を極めた。
 さらに、明治後半以降、市内に分布する約1億年前の地層に含まれるアンモナイトをはじめとした化石の研究も盛んに行われ、現在でも市内で発掘した化石から多くの研究成果を上げている。
 そこで市は、これらの経緯を踏まえて市内全域をジオパークに登録申請することに決めた。さまざまなテーマを持たせたフットパスコースの設定などジオツーリズムの検討をはじめ、石炭層が観察できる幾春別地区の野外博物館を中核としたジオサイトの整備、ツアーの開催、ガイドブックの作成などに取り組む。
 早ければ13年度にも、日本ジオパーク委員会に登録申請する予定。12年度は1750万円の予算を充て、登録申請に向けた事前準備として、構想推進協議会の設立をはじめ、野外博物館の説明看板設置、ホームページや広告などを活用した普及活動を展開する方針だ。