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建通新聞社(中部)
2012/05/18

【愛知】発注機関の半分が対応へ 予定価格事後公表

 国土交通省中部地方整備局管内のうち愛知・岐阜・三重・静岡県内の発注機関で構成する中部ブロック発注者協議会が16日、名古屋市内で開催され、総合評価落札方式の導入状況など、国や地方自治体の建設生産システムの適正化に関する取り組み状況を報告した。総合評価方式は、2011年度までに15%の発注機関が本格導入し、70%が試行していた。また、「予定価格の事後公表への移行」については、一部実施を含め45%が対応。この割合は12年度に50%にアップする見通しだ。
 同協議会は入札・契約制度の適正化や工事の品質確保を目的に、@総合評価落札方式の導入A予定価格の事後公表への移行B低入札価格調査基準価格の見直し―の3点を重点対策としている。
 総合評価落札方式の導入では、11年度までに15%が本格導入、70%が試行、15%が未導入だった。12年度の取り組みでは本格導入が16%、試行が70%、未導入が14%で、割合としてはほぼ横ばいで推移する見通しだ。東海3県の地方自治体では、新たに三重県南伊勢町などが試行する予定でいる。
 予定価格の事後公表への移行では、11年度までに36%が実施、9%が一部で実施、3%が未実施、52%が実施そのものを予定しなかった。12年の取り組みでは、39%が実施か実施予定、11%が試行か部分実施、50%が未実施と報告。実施予定や部分実施を含め、12年度は11年度と比べ5ポイント多い50%の発注機関が対応する見通しだ。
 東海3県の地方自治体では、新たに愛知県日進市が実施を予定。岐阜県下呂市、同県富加町などが一部で実施する予定だ。
 中部地方整備局は、予定価格の事後公表への移行などの結果について、落札率がアップして低入札が減少すると同時に、工事成績が上昇したり、労働災害が減少したりする傾向があることを説明。関係機関に積極的な対応を呼び掛けた。
 また、中部地方整備局の足立敏之局長は、東日本大震災の緊急復旧に関して「重機を持っている建設業の役割は大きいと認識した」と述べた。そして、東海・東南海・南海地震の発生と緊急復旧を視野に、「地域の建設業が経営を持続できる環境をつくることは発注者の責務」だとして、建設生産システムの適正化の意義を訴えた。
 また、同日の協議会で整備局は、今後本格化する建設業の社会保険未加入問題への対策を説明した。建設業許可・更新時の確認や、経営事項審査の厳格化などを伝えた。さらに、29日に、建設産業団体などを交えた全国レベルの「保険未加入対策推進協議会」を開き、行政と元請け・下請けが一体となって対策を推進することを説明した。