建通新聞社
2012/05/17
【大阪】安威川ダム 国の有識者会議が効果を確認 国の対応方針待って転流工を発注へ
安威川ダムについて、国の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」で「被害軽減の効果が大きい」との評価が示された。これを受けて国土交通省は、6月ごろに国の対応方針を示す見通し。大阪府都市整備部は、方針が出次第、早急に本体工の一部となる転流工を発注する。
有識者会議では、「費用対効果が17.5という高い値となっていると思う。安威川ダムより下流は市街地であり、被害軽減の効果が大きいということではないか」との評価が示された。国は、この評価を参考に、補助金交付に係る対応方針を決定する。
安威川ダム転流工は、ダム本体の建設に向けて、河川の流れを変える工事。茨木市生保ほかで、NATMトンネル延長548m、仮設進入路工などを行う。工期は27カ月を予定。総合評価方式で発注する。
府は、ダム建設の是非、利水撤退分の規模変更などを河川整備委員会で審議するとともに、関係市と協議。この結果、「現行計画で建設する」方針を決定し、2011年10月7日に国土交通大臣宛ての検討結果報告書を提出した。
利水撤退分の規模縮小を行わず、現行計画で建設。中央コア型ロックフィルダムで堤高76.5m。堤頂長76.5m、堤体積219万1,000M3。湛水面積80.7haで、総貯水容量1,800万M3。本体工事費は約235億円を見込む。転流工完成後、早期に堤体の工事を開始する。