建通新聞社四国
2012/05/11
【高知】規模はRC4階5174平方b いの町新庁舎建設
いの町は、新庁舎建設に向けた基本設計が完了し最終報告を行った。新庁舎は、現庁舎を解体した跡の敷地面積4351平方bに建設するもので、鉄筋コンクリート造4階建て延べ5174平方bの本庁舎のほか、敷地内に公用車車庫棟・ゴミ置場・歩廊1〜3・駐輪場・カルバート倉庫を鉄骨造で整備する。今後は実施設計を引き続き昭和・上田設計共同企業体(JV)で進め、下半期に工事着手する予定。2014年10月の供用開始を目指す。
配置・動線計画では、庁舎内に光と風を導くため南北に分かれた分棟構成とし、入口は建物正面の南側と駐車場から近い北西側に分散させる。敷地内には、さまざまな場所にポケットパークや通り抜け路地を整備。周辺の車道については将来の拡幅を見据えて建物をセットバックし、車道に面して歩道を整備する。
平面計画では、1階を「町民交流フロア」とし、音楽会・会議・講演・各種イベントなどに活用する「いのホール」、吹き抜けの「いのプラザ」、防災倉庫などを配置する。防災倉庫は仁淀川の堤防決壊から想定される最大の浸水レベルを考慮し、道路プラス2bの位置に床を上げ、上階からも荷物を搬出入できる計画としている。
2階は「町民サービスエリア」とし、各課(総務課と学校教育課は3階)と副町長室を配置。壁がなくオープンな空間とし、見通しが良く案内性の高い町民窓口ゾーンを実現する。
3階は「行政機能エリア」とし、想定外の浸水を考慮し電算室や電気室などの基幹機能を配置。庁舎機能を保持しつつ迅速な機能復旧を可能とする。ライフライン断絶時にも連続3日間の電力供給を行う発電機室や町長室も配置する。
4階は災害対策本部も兼ねた議会フロアとし、議場は町民に顔が見えるレイアウトとする。
外観計画では、「いの町らしさの継承」と「土佐の技と恵みの取り入れ」を図るため、町産材木を使ったルーバーやサッシ、土佐漆喰、水切瓦などを取り入れる。
環境配慮計画では、置き式の太陽光パネル、2重屋根システム、躯体のPC化、深い軒、地場産材を利用した木アルミ複合窓、床吹出空調などを取り入れる。
構造設計計画では、庁舎部分は免震構造を採用。仁淀川の堤防決壊から想定される浸水災害に対して、免震装置を想定水位より上部に設置することで浸水を防ぐため中間階免震構造(1階柱頭免震)とし、このことで基礎部分の免震ピット不要となるため、掘削土量の削減につながり、経済性・環境性にも配慮した計画となる。
庁舎の西側には立体駐車場を建設。規模は鉄骨造2階建て(2層3段)延べ3099平方bで、186台の駐車スペースと自転車79台・バイク8台の駐輪スペースを計画している。