建通新聞社
2012/05/09
【大阪】地下鉄民営化PTが中間報告 14年度末民営化目標 南海線の地下鉄四つ橋線乗り入れも検討
大阪府市統合本部の地下鉄民営化・成長戦略プロジェクトチーム(PT)は、検討の中間報告をまとめた。2014年度末の民営化移行を目標にするとした。南海線を地下鉄四つ橋線に乗り入れ、新大阪から関西空港への利便性を向上させることなどを検討する。6月に最終報告をまとめる。
市営地下鉄は、御堂筋線など9路線(ニュートラム含む)で、137.8qを展開。1日平均約229万人が利用する。全国の市営地下鉄で最大級の規模。03年度から8年連続で経常黒字を記録。ピーク時には約2,900億円あった累積赤字を削減し、11年度決算では、公営地下鉄として全国で初めて累積赤字を解消した。しかし、乗車人員は1990年をピークに減少しており、将来的な事業継続のために、私鉄各社との乗り入れ拡大や市外への路線拡張などを視野に民営化を検討するよう橋下徹市長が指示した。
中間報告では、「上下一体での完全民営化を前提にする」とした。
今後のスケジュールでは、PTの最終報告を基に、12年度中に民営化プランをまとめる。13年度に各種調整を行い、14年4月に新会社の骨子を確定。移行作業を開始し、14年度末に民営化する。
南海線の地下鉄四つ橋線乗り入れは、低迷が続く四つ橋筋沿線の活性化や、なにわ筋線以外の新大阪〜関西空港のアクセス確保のために検討する。新今宮〜難波間で南海線から分岐、なんば〜四ツ橋間で四つ橋線に合流して乗り入れ、西梅田へ。さらに新線で「うめきた」「十三」を経由して新大阪に着く。関空〜新大阪間の最短所要時間は約53分。路線の課題は両線の車両規格の違い、事業費、事業スキームなど。事業費は2,260億円+α(4線軌条化費ほか)を概算する。
地下鉄民営化PT以外でも、ターミナル改革や駅中・駅前の改革などを検討する予定だ。