静岡県は2012年度、掛川地区特別支援学校の新設に向けた設計に着手する。掛川市立病院跡地の一部を建設候補地に、定員約170人の学校を建設する計画で、必要な機能や建物の規模などを固めた上で設計業務を発注。12〜13年度で基本・実施設計をまとめ、13〜14年度で施工する。
県内の児童・生徒数は全体として減少傾向にあるものの、特別支援学校への就学率や就学希望者は増加している。建物の老朽化などが進んでいるほか、定員を上回る児童・生徒を受け入れているため施設が狭隘(きょうあい)化。また、遠隔地から通う必要のある児童・生徒と保護者の通学負担が大きいため、県は既存の特別支援学校の改築や分校の開設、リースによる仮設校舎の設置などの取り組みを進めてきた。
掛川(中東遠)地区では、障害のある児童・生徒が袋井特別支援学校(袋井市高尾2753ノ1)に通っているが、同校も定員を上回って過大規模化している。袋井市の本校のほか、御前崎分校(御前崎市池新田2907ノ1)と磐田見付分校(磐田市見付2031ノ2)、東遠分教室(菊川市西方4345ノ2)を設置しているが、建物が狭く通学の負担も大きい。
そこで、袋井市と共同で新たな総合病院を建設する掛川市立総合病院(掛川市杉谷南1ノ1ノ1)の敷地の一部を建設候補地に、県立特別支援学校を新設する。
掛川地区特別支援学校は、小学部・中学部・高等部で構成。視覚障害や聴覚障害、知的障害、肢体不自由などさまざまな児童・生徒に対する教育を行う。定員は約170人。
建物の構造や規模などは現段階で未定。建設地の確定作業と並行し、児童・生徒の障害に対応する機能を踏まえて校舎などの建物、プール、体育館、グラウンドの規模、配置などを検討し、設計業務を委託する。
設計の発注方式については、プロポーザル方式が見込まれており、12〜13年度で実施設計までまとめる。設計委託費は総額1億7800万円を見込んでおり、12年度予算に4300万円を計上した。
設計の完了後、13〜14年度に施工し、15年度に開校する予定。
(2012/4/25)
建通新聞社 静岡支社