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建通新聞社四国
2012/04/24

【高知】免震RC造5100uを想定 新南国署庁舎

 高知県警察本部は4月19日、警察署再編計画に基づき、現在の南国・香美・香南の3警察署を統合して建設する新南国警察署(仮称)庁舎基本設計の報告を行った。新警察署は、国道55号沿いの南国市大嚔ウ799ノ1ほかの敷地面積5269平方bに建設。想定規模は、庁舎棟が免震構造(基礎免震構造)で鉄筋コンクリート造7階建て延べ約5100平方b、車庫棟が耐震構造(重要度係数1・25)で同造2階建て延べ約1200平方bとなっている。
 新警察署計画の基本として、「警察庁舎としての機能の充実」「地震・災害に安全な建物」「地域に開かれた警察庁舎」「環境の配慮した建物」の4項目を掲げている。
 項目別に見ると、警察庁舎としての機能の充実では、▽各執務室は南向きとする▽整理された事務室となるように各課に相談室・倉庫を配置▽庁舎棟の留置事務室と留置施設には車庫棟から直接出入りできる動線を確保▽最大150人を収容できるように大会議室・会議室をつなげて配置▽天井高を十分に確保した剣道場・柔道場・トレーニング室を設ける▽将来的な設備の拡充・更新が容易に行えるよう機械室・配管経路スペースに配慮することを盛り込んでいる。
 地震・災害に安全な建物では、▽庁舎棟は基礎免震構造で計画▽受変電装置・自家発電装置・受水槽やポンプなどの設備機器は2階以上に設置▽車庫棟はスロープを設け2階に車庫を配置▽停電時にも機能が7日間持続できるよう自家発電設備・オイル地下タンクを計画▽柔剣道場などを一時避難場所として利用できるように計画▽水道が断水しても井戸水を雑用水に活用できるように計画▽車庫棟には非常用汚水槽を設け、仮設トイレが利用できるように計画することを盛り込んでいる。
 地域に開かれた警察庁舎では、▽敷地前の国道55号に交差点を新設▽敷地東側の南国市道を拡幅して東端に付け替える▽国道・市道からの通路・建物内はすべてバリアフリー・ユニバーサルデザインを徹底▽庁舎1階には開放的で広いロビーを設けることを盛り込んでいる。
 環境に配慮した建物では、▽庁舎棟は中央から北側に配置▽敷地周囲には植栽を設け、緑の多い環境を計画▽耐久性・耐候性に優れ、メンテナンスが容易な建材を使用し、歴史を積み重ねることで景観を向上させる建物を計画▽県産木材を法規上使用可能な所に計画▽県産石材を外壁の一部と外構に計画▽土佐漆喰塗をエントランスロビーなどの内壁に計画▽庁舎棟はバルコニーを全周に設ける▽空調設備はエネルギーロスの少ない電気式空冷ヒートポンプパッケージを各部署に分けて計画▽建物外周部分には十分な断熱材と開口部には複層ガラスを計画▽屋上にソーラーパネルを設置▽照明器具はLED照明、自動点滅装置を適宜採用▽給湯設備は深夜電力を利用する電気貯湯式給湯器を採用▽衛生器具はすべて節水型とし、洗面・小便器は自動水洗を採用することを盛り込んでいる。
 今後は、基本設計に引き続きハウジング総合コンサルタント(高知市)で実施設計を進め、12年度末までをめどに規模の詳細を確定させる。工事は13年度に着手し、16年4月の供用開始を目指す。