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北海道建設新聞社
2012/04/23

【北海道】道内発「メロディーロード」が海外へ−中国企業と技術協力 

 車両走行音が音楽を奏でるように工夫された「メロディーロード」の中国での整備が決まった。開発者の篠田興業(本社・標津)は、中国河南省のまちづくりを手掛ける不動産会社の共同体と技術協力に関する契約を締結。篠田静男社長は「交通安全の啓発、観光資源に役立つメロディーロードが認知されてうれしい。これからも技術交流が広がるようにアピールしたい」と話している。
 メロディーロードは、グルービング舗装の原理を応用した技術で、2011年3月に特許取得。溝の幅や深さ、間隔を変えることで、タイヤが通過する際の振動音が音楽のように聞こえる。
 04年に標津町の町道で「知床旅情」を奏でる道路を整備したのが始まりで、施工例は全国に広がる。11月7―10日開催の国際マンガサミット鳥取大会に合わせて、水木しげるロードにアクセスする道をメロディーロード化する計画も進むという。
 今回の技術協力は、同社のホームページなどを通じて、技術や交通安全方針に関心を寄せた中国関係者からの一報がきっかけとなった。北海道国際ビジネスセンター(HIBC)の支援を受けながら、道内外の現地見学などを経て、3月30日に本契約を結んだ。
 中国企業が選んだ曲に基づき、同社が設計・施工図面を作成。現地に篠田猛常務ら専門技術者を派遣し、施工に関するアドバイスをするという契約内容。中国企業は、主に溝を作る機械などの調達、人件費を負担するほか、施工後の維持管理・補修を担う。
 施工場所は、中国河南省の長葛市葛天生態園区内。施工延長は263m(幅員17・3m)。10日ほどでプログラムを作成し、現地作業は2、3週間を見込んでいる。
 HIBC中国アドバイザーの山崎哲郎氏は「篠田社長のユニークな発想が共感を呼んだ。大きな宣伝効果にもなるだろう」と期待を掛ける。