建通新聞社(中部)
2012/04/19
【愛知】県 廃棄物受入施設設計など今月入札
愛知県環境部は、東日本大震災で発生した災害廃棄物の受け入れに向けて、搬入手法や受け入れ施設整備の工法の検討などを4月中に委託する。実績や企業規模を考慮し、10者程度を指名して入札する見通しだ。5月上旬〜中旬に契約したい考え。
受け入れ候補地は▽名古屋港南5区2工区(知多市緑浜町4ほか)▽中部電力の碧南火力発電所(碧南市港南町2)▽トヨタ自動車の田原工場(田原市緑が浜)−の3カ所。受け入れ容量は最大で名古屋港が50万d、中電が33・5万d、トヨタが16・5万d。
整備することが決まれば、中電とトヨタの敷地を県が借り受けて焼却施設と最終処分場を整備する。最終的には国に整備費の負担を求める考えだ。
県は、受け入れ施設の整備を検討するため、6億円の補正予算を組み、9日に専決処分した。予算の内訳は、災害廃棄物の搬入手法検討とボーリング調査などが2億4600万円、廃棄物を一時的に保管する仮置き場(ストックヤード)の調査・設計が1億0770万円、焼却施設と最終処分場の設置に伴う生活環境影響調査(ミニアセス)が2億4000万円、県独自の受け入れ基準の検討が630万円。
鉄道や船舶による搬入ルートも検討する。安全基準は、可燃物、可燃物を燃やした後の焼却灰、不燃物の三つを軸に検討し、他県の状況と専門家の意見を踏まえて策定する。
東北3県で発生した廃棄物は2300万d。この膨大な廃棄物の処理が進んでいないため、復興の妨げになっている。大村秀章知事は、早ければ年内にも受け入れを始めたい意向を示しているが、地元の理解を得ることが必要となるため、施設の稼働時期は流動的だ。