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建通新聞社(中部)
2012/04/18

【三重】東海農政 中勢用水の機能保全に着手

 農林水産省東海農政局は、2012年度から安濃ダム(津市)の堆砂除去など、中勢用水地区を対象とした国営施設機能保全事業に本格的に着手する。現在、工事発注に向けて関係機関との調整などを進めている。事業期間は現在のところ12年度から21年度まで10年間を見込んでいる。総事業費は約25億円の予定。
 同事業は、ダムの土砂堆積や水路の経年劣化など、機能低下が見られる農業水利施設に再整備を施し、長寿命化と機能の保全を図るもの。工事の対象となるのは安濃ダム、第三頭首工、用水路、水管理施設など。
 安濃ダムでは堆砂除去と貯砂堰堤設置などを実施する。第三頭首工では、擁壁護岸が傾斜していることから部分補修を施す方針。同ダムの周辺ではアカザやホトケドジョウなどの希少種が生息。同頭首工の上流部にもチュウサギなどのコロニーが存在することから、生育環境への影響を低減できる施工手法を検討する。
 パイプラインは、一部でトンネルのひび割れ、腐食などが見られることから補修、取り換えを実施する。対象延長は14・9`。
 関連する業務委託としては、木曽川水系土地改良調査管理事務所が、第2四半期に用水路の実施設計、安濃ダムの撤去土砂盛土場測量、同ダムの地質調査などを委託する予定。
 事業に先立つ事前評価により同局では、ダムに土砂が堆積した原因として森林荒廃があると見ている。今後の課題として、官民協働による対処が必要となりそうだ。
 同地区は三重県の中央部に位置しており、関係市は津市、亀山市の2市。