建通新聞社四国
2012/04/13
【香川】「技術力で逆転」が14件 県の11年度総合評価
香川県は、2011年度に実施した総合評価落札方式のうち技術提案を求めた設計金額5000万円以上の案件94件で、技術提案評価により最低価格応札金額を技術力で逆転した案件が14件あった。発生率は14.9%となり、前年度の24件、23.1%より10ポイント近く減少、増加傾向が縮小に転じた。また平均落札率は84.9%となり、前年度並み(84.7%)となった反面、低入札価格での落札が26件発生した。
県の総合評価は、工事規模や施工難易度により企業評価型(設計金額3000万円以上)、実績評価型(同5000万円以上)、施工計画型(同1億円以上)、技術提案型(同3億円以上)で概ね実施しており、同5000万円以上の実績評価型以上で参加企業から技術提案を求めている。
11年度に実施した同5000万円以上の案件は94件。タイプ別状況は実績評価型の案件数は75件。平均落札率は84.9%、逆転件数は12件で発生率は16%、低価格落札は19件で発生率は25.3%。
施工計画型の案件数は13件。平均落札率は85.0%、逆転件数は2件で発生率は15.4%、低価格落札は5件で発生率は38.5%。
技術提案型の案件数は6件。平均落札率は85.1%、逆転件数は0件、低価格落札は2件で発生率は33.3%となっている。
県は、06年度から総合評価落札方式の入札を試行しており、年々対象案件数を増やすなど拡大させている。06年度に32件中、逆転件数は3件。07年度は53件中、3件。08年度には設計金額5000万円以上の案件を対象として114件を実施し、うち10件が技術提案により金額差を逆転受注している。
09年度からは、さらに適用を拡大し一般競争入札の案件で、設計金額3000万円以上と試行として実施する700万円以上が全て総合評価の対象とした。技術提案を求めている設計金額5000万円以上の案件で、09年度は142件中8件、10年度が105件中24件が逆転受注し、増加傾向にあった。
一方、09・10年度に発生件数がなかった低価格での落札件数が26件発生。要因は09年度に強化した金額面の失格基準を11年度に緩和したため。
低価格での応札は、次回以降の応札に総合評価の項目でマイナス評価されるが、以降のペナルティよりも当面の受注を優先する企業スタイルがうかがえる。