建通新聞社四国
2012/04/13
【徳島】第2四半期中に執行 長安口ダム施設改造
国交省四国地方整備局那賀川河川事務所は、工事規模50億円以上となる平成24−28年度長安口ダム施設改造工事を第2四半期中に執行する。施工体制確認型総合評価方式を試行する。一般土木工事でWTO対象案件。
長安口ダムは現在、洪水調節容量全てが予備放流容量となっており、洪水予測時に事前放流により水位を下げる必要がある。このためダム改造事業により、新たに洪水吐を増設して低水時の放流能力を増強することで予備放流水位を下げ、洪水調節容量の増量を図る。
今回発注するのはダム堤体の右岸側で予備ゲート等を新設する一連の工事。底部架台、仮締切、上流ピア、予備ゲート、天端仮設構台を工期約49カ月で施工する。
洪水吐の新設位置は、現在のダムサイト天端の右岸側中央付近。新たなゲート(クレストゲート)を右岸側に設置するため今回、予備ゲートや仮設構台などの一連の工事を発注。
工事スペースはダム天端右岸仮設構台を現ダム右岸の真上に作り確保する。ダム右岸側の山と貯水池内仮設構台の山側に2本の塔を設けてケーブルクレーンで結び、ダム湖を越えて資材を仮設構台から仮設構台に運び工事を進める。
完成までの流れは、ダム天端右岸構台設置、ケーブルクレーン設置、仮締切製作・設置、予備ゲート製作・設置、コンクリート取り壊し、ゲート設置と進めていく。途中では地山掘削、コンクリート工(減勢工改造)なども行う予定。
2012年度のダム改造事業予算は42億3900万円を計上しており、工事は12年度中に着手することになる。
長安口ダムは堤高85・5b、堤頂長200・7bの重力式コンクリートダム。現在、ダム湖を挟んだ対岸に鋼管杭やブレス材などで上部桁と床版を組み、約75b×約20bの作業ヤード部分を施工中。
場所は那賀郡那賀町大戸地先。