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建通新聞社(静岡)
2012/04/06

【静岡】工事と業務の総合評価ガイドラインを改訂―静岡県

 静岡県は、建設工事の「総合評価活用ガイドライン」と、建設関連業務の「総合評価落札方式試行ガイドライン」を改訂した。建設工事は、道路の小規模修繕などの業務受託の受注実績や、新卒者雇用と新規雇用を新たに評価項目に追加した。また、建設関連業務については、「企業の能力に関する評価項目・評価基準」を新たに設定。業務成績や企業の地理的条件などを評価する。2012年度に発注する案件に適用する。
 建設工事は、設計価格5000万円以上の案件でこれまで通り原則実施するとともに、1000万円以上5000万円未満で3割程度としていた実施割合を「5割程度」に拡大。11年度に約500件だった適用件数を「700〜800件」に増やす。
 その上で、▽災害協定(標準型・簡易型)▽地域貢献活動の対象期間(簡易型)▽「道路小規模修繕」「舗装道路補修」「雪氷対策」の業務受託の受注実績(簡易型)▽労働福祉の状況(簡易型)―の評価項目・評価基準を追加・変更する。
 災害協定については、協定に基づく活動実績の配点を1・0点から「1・5点」に引き上げるとともに、発注機関が示す範囲の実績に対してさらに「0・5点」を加点。一方、これまで過去5年間としていた地域貢献活動の対象期間を「過去1年間」に変更する。配点の見直しに伴い、34点だった災害協定の配点の上限を「33点」に変更する(標準型のみ)。
 また、これまで実績とみなしていなかった「道路小規模修繕」「舗装道路補修」「雪氷対策」の業務受託の実績を新たに評価項目に追加。過去2年間にいずれかの実績があれば1点を加算する。
 労働福祉の状況に関しては、雇用実績として「新卒者雇用」と「新規雇用」を新たに評価基準に設定。新卒者の雇用で1・0点、新規の雇用で0・5点を配点(最大で合計1・0点)する。一方、11年度に「障害者雇用企業登録者名簿への登録」で新規雇用を評価していたため、1点だったこちらの配点を「0・5点」に変更。さらに、県の「次世代育成支援企業認証制度」の認証の有無を新たに評価基準に加え、0・5点を配点する。
 建設関連業務については、2000万円以上で原則実施し、100万円以上2000万円未満の案件の2割程度に適用することを実施方針に明記。11年度に80件だった件数を「150件程度」に拡大する。
 評価に関する最も大きな変更点は、これまでの試行で対象としていなかった「企業の能力」を評価すること。
 評価項目は▽業務成績▽ISOの取り組み▽地理的条件▽災害協定▽地域貢献活動―の五つで、最大14点を配点する。
 業務成績は、過去3年間の同業種の業務成績の平均点によって最大6点を配点。ISOは、9001または14001の認証を取得していれば2点を加点する。
 地理的条件は、事業者の本社所在地により2点を配点。災害協定は、県との協定を締結している場合に1点、協定に基づく活動を行った場合に2点を配点する。さらに、地域貢献活動として、過去1年間に実施した、県内での道路・河川・海岸・公園などでの美化活動や、農地・森林などでの環境保全活動を評価し、2点を加算する。
 このほか、配置予定技術者の経験・能力の評価項目のうち、業務の従事期間を「CPD(継続的な専門教育)の目標(推奨)単位以上」に変更したほか、契約金額500万円以上だった手持ち業務量の基準を「100万円以上」に引き下げた。
(2012/4/6)

建通新聞社 静岡支社