建通新聞社(東京)
2012/04/04
【神奈川】 厚木市入札制度改正で手持ち工事の件数制限など
厚木市は2012年度の入札契約制度改正で、受注機会の均等を目的として、工事と委託業務の手持ち件数の制限を強化する。多発するくじ引き入札の対応としては、最低制限価格算出時に無作為の調整率を乗ずる入札方法を10件ほど試行し、解消策を探る。コンサルタント業務と清掃ほか業務については、入札執行方法を一部変更する。
手持ち工事の件数制限は、土木、建築工事の上限を従来の3件から2件、舗装、造園工事の2件を1件にそれぞれ変更する。総合評価方式の手持ち件数は、簡易型と特別簡易型共に1件ずつにした。1社の手持ち工事の上限は原則4件まで。
一方、優良工事表彰者を対象としたインセンティブ発注の工事は手持ち件数の対象外とした。また、11年度に完成した工事成績評定点78点以上の工事を施工した市内企業には、同工種の手持ち件数の制限を緩和する。
例えば、工事成績評定点78点以上の土木工事を施工した市内企業には、手持ち工事の件数を1件増やし、上限を2件から3件に引き上げる。同様に造園工事の場合は上限を1件から2件とする。
最低制限価格の調整は、くじ引き発生の確率が高い土木と舗装工事のうち、10件程度を対象に試行する。対象案件は公告時に明記する方針だ。11年度のくじ引き入札の発生率とくじ参加者は、土木が89・2%で平均11社、舗装が93・2%で平均9社。
調整方法は、従来通り算出した最低制限価格に、無作為に抽出した調整率(99・51/100〜100・5/100)を乗じた金額。時限措置で、直接工事費に乗じる率を95%から「100%」に変更している従来の算出方法は、今回の改正で13年3月31日まで延長することを決めた。
コンサルタント業務(測量、建築・土木設計など)の手持ち件数については、工事と同じく制限を強化し市内企業を3件、準市内企業を2件に減らす。過去3年間に優良建設工事表彰を受けた市内企業については、手持ち制限件数の上限を1件増やしこれまでの3件を維持する。このほか、11年度に試行した「技術者数」を参加要件化した入札方法を測量と建築設計にも拡大する。
清掃・警備・保守管理の業務委託では、契約検査課が執行する設計金額50万円以上の案件全てに条件付一般競争入札を導入する。このほか、市内企業の全業種の手持ち件数を6件から8件に増やし、浄化槽(汚水処理施設)保守点検業務の参加要件に「浄化槽保守点検業登録を有すること」を追加した。