建通新聞社(中部)
2012/04/03
【愛知】県 基幹的広域防災拠点整備を要請
愛知県防災局は、東日本大震災の教訓と県の地域特性を踏まえ、広域・甚大な災害に対応するための基幹的広域防災拠点の整備を国に要請する。2011年度に実施した調査の結果、名古屋空港周辺と三の丸(名城公園周辺)地区を、指令・統合調整機能を担う「コア拠点」とし、名古屋港などを物資や人員の集結機能を担う「サブ拠点」とする提案をまとめた。
コア拠点には、指令本部、啓発・体験施設、教育・訓練施設を備えるコア施設(約1万平方b)や防災研究センター(同)を整備する。サブ拠点にはヘリポート機能や備蓄機能を持たせる。サブ拠点には、名古屋港のほか、愛・地球博記念公園、岡崎中央総合公園、新城総合公園を指定。さらに静岡県、三重県、岐阜県の防災拠点もサブ拠点とした。
コア拠点の整備タイプは、@名古屋空港周辺A三の丸地区B空港・三の丸のダブルコア−とする3タイプを提示。それぞれのメリットとデメリットを示した。
名古屋空港周辺をコアとした場合は、空港機能を生かした整備が可能となるほか、周辺の活性化を期待することができる。約8fの新規用地を確保しなければならないため、整備コストが高くなる。
三の丸地区をコアとした場合は、緊急災害現地対策本部や国の地方支分部局と緊密に連携した整備が可能となるほか、老朽化した官公庁施設の再編・更新を促進することが可能となる。新規用地の確保も1・8fで済むため、整備コストも低い。しかし、官公庁施設の再編・更新に時間を要し、空港の機能を直接的に活用することができない。
ダブルコアの場合は、@案とA案のメリットを最大限に生かすことができる。だが、約9fの新規用地を確保しなければならず、コア施設を分散して配置しなければならないため、コストが最も高くなる。
今後、具体的な施設整備に向け、関係機関との調整と検討を進めるとともに、民間企業との連携も図っていく考えだ。