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建通新聞社(神奈川)
2012/03/28

【神奈川】川崎市 住宅・住環境課題解決の官民共同モデル調査実施 

 川崎市は、古くなったり空き家になったりした民間住宅や、高齢者世帯の増加などによる住環境の課題解決策を検討するため、民間と共同でモデル調査を実施する。住宅・住環境課題への市の関わり方や支援方法の検討に役立てることが目的で、市内で初めての試み。これに向け、事業実施団体を4月に募集する。5月に3団体程度を選定し、6月に調査を開始。実施期間は2年間程度。
 モデル調査の対象地域は少子高齢化や住宅の空き家・高経年化、建物の流通の停滞などの課題を持つ地域。これらの地域で活動しているNPOや社会福祉法人、大学、業界団体、市民活動団体などが募集の対象で、地域課題の提起や解決に向けた提案を募る。複数の事業者が共同で応募することも可能。候補地は最大で中学校の学区域程度の広さとし、モデル調査終了後も地域での取り組みを継続することが条件だ。
 約1年間で地域特性の調査や課題解決の方向性などをまとめ、解決に向けた対策を市と共同で開始。2013年度末までの2年間で効果の検証や他地区への応用方法を検討し、結果を川崎市住宅政策審議会の答申に盛り込み、今後の住宅政策に反映する。
 市は、課題解決手法の例として、不動産業界や移住・住み替え支援機構(JTI)、大学、NPOなどと連携した空き家の有効活用・流通、建築業界団体や公社などと連携した耐震化、リフォームの推進などを提案。「木造住宅耐震改修助成制度」など、既存の制度などでモデル調査を支援する。
 今回の調査結果をモデルケースとして、住宅・住環境の価値の維持・向上に向けた取り組みにおいての市と市民、事業者の役割分担の検証に役立てたい考え。”住まい手”の高年齢化に伴う維持管理の停滞や世帯構成の変化に対応した住み替えの必要性、建物の高齢化に伴う流通の低下、耐震化・ユニバーサル化の必要性など、近年の住宅事情に特有の課題を解決するためのプラットフォームの形成を目指す。