知多半島南部の2市3町(半田市、常滑市、南知多町、美浜町、武豊町)で構成するごみ焼却処理広域化の一部事務組合「知多南部広域環境組合」は、DBO方式(公設民営方式)での建設を計画している新ごみ処理施設について、10月にも事業者を募集する入札公告を実施する見通しを明らかにした。
現在予定している事業スケジュールによると、6月にも実施方針を公表。事業方針への意見を聴取した後、8月末から9月をめどに特定事業の選定を予定している。入札と提案書の受け付けは、2013年4月を想定。同年5月末に最優秀事業者を選定し、同6月末の基本協定締結を目指す考えだ。
新施設の建設予定地は、組合事務所を設置している半田市クリーンセンターの南東側敷地(半田市乙川末広町50)。焼却施設の処理能力は、当初計画の1日380dから縮小し、1日当たり300d未満で検討している。
焼却炉数は2炉。処理方式は、技術検討委員会(委員長・笠倉忠夫名古屋産業科学研究所上席研究員)で「ストーカ方式+焼却灰を民間リサイクルまたは埋立処分する」方式を採用している。
このほか、ごみ焼却時の排熱を利用した高効率発電システムを導入。白煙防止装置も設置する。また、新焼却施設建設に併せて、南知多町の知多南部クリ―ンセンター内に、可燃ごみ、粗大ごみ破砕機付きのごみ中継施設を整備。新施設の運転開始後には、半田市のごみ焼却施設を取り壊して、跡地に粗大ごみ、不燃ごみ処理施設の整備も計画している。
新施設の建設、維持管理、運営方式は、DBO(公設民営)方式。事業期間は20年間とした。
同組合による新ごみ焼却施設の整備は、知多南部2市3町の広域組織によるスケールメリットを生かすための計画で、国の「ごみ処理広域化計画」の方針を受けたもの。1999年から「知多南部地域ごみ処理広域化ブロック会議」を設立して広域化に向けた課題を議論。各課題が整理されたことで、11年度から事業主体となる同組合を組織した。
施設整備、管理運営事業者選定のアドバイザリー業務はパシフィックコンサルタンツ中部支社(名古屋市西区)が担当。施設整備計画等策定業務は日建設計シビル(大阪市中央区)が、環境影響評価調査は八千代エンジニヤリング(東京都新宿区)が、地質調査・測量業務は応用地質(東京都千代田区)が担当した。
既存のごみ処理施設は、半田市クリーンセンターと常滑武豊衛生組合クリーンセンターがそれぞれ日量150d(75d×2)、知多南部クリーンセンターが日量112・5d。3施設とも全連続燃焼式焼却炉の処理方式を採用している。