建通新聞社(東京)
2012/03/26
【東京】 国交省京浜河川、浅川の堤防整備方針を検討
国土交通省京浜河川事務所は、多摩川支川・浅川(日野市〜八王子市)の堤防整備方針を具体化するため、26日に関連業務の簡易公募型プロポーザル手続きを開始する。同業務では、流域の市街化が進む中で「嵩上げ」などの整備を可能にする手法を検討し、方針の取りまとめにつなげる。また、多摩川合流点付近の上田地区(日野市)でより詳しい検討を行って、13年度以降の設計に備える構え。委託先は5月中旬に決める。
浅川の直轄管理区間は多摩川合流点(日野市)から南浅川合流点(八王子市)までの延長13・2`。多摩川水系の河川整備基本方針(2000年12月)に掲げる計画高水流量は、最下流部の高幡橋地点で毎秒1800立方bとなっている。
また、当面の30年間は河川整備計画(01年3月)に基づいて、同地点で毎秒1100立方bの流量を確保するための整備を実施することにしている。
ただ、流域は市街化が進行し、堤防を整備するための用地買収が難しい。河川整備計画に盛り込んでいる築堤の進捗状況を見ても、右岸が要整備延長6・4`に対し0・3`、左岸は同様に3・6`のうち0・4`しか完成していない(11年1月データ)。
このため、用地買収しないで堤防を嵩上げできる手法(例・川裏側の機能補償)や、河道内で流量を確保する方策(河道掘削など)といった事項を検討し、今後の堤防整備方針を定めることにした。
その中で、より詳しい検討を行う上田地区は、高幡橋上流の左岸に位置する。治水対策を求める地元要望があるものの、川裏側の市街化とともに、全川の中でも川幅が特に狭い場所となっている。
関連業務の委託先を決めるプロポ手続きは、参加表明書を4月5日、技術提案書を4月23日までそれぞれ受け付ける。特定は5月11日の予定。履行期限は13年2月28日。