建通新聞社(東京)
2012/03/26
【東京】 葛飾区、高度医療機関誘致へ検討開始
葛飾区は、高度医療機関の誘致に関する検討を開始した。年内に策定される基本計画に、整備スケジュールや病床規模、診療科目などを盛り込み、具体的な検討に着手する。
現在、区内に高度医療に対応できる総合病院は、慈恵医科大学葛飾医療センターや東部地域病院など。この2病院がある青砥地区と亀有地区以外で、公共施設や区有地の活用を視野に入れ、誘致に向けた検討を進める方針だ。
同区は2011年7月に、葛飾区地域医療連携協議会を立ち上げ、関係団体らとももに、区内や近隣地域の医療機関が連携して医療の提供に対する環境づくりの検討を進めている。今後、区民や区医師会など地域の要望を踏まえ、大学連携医療機関など高度医療機関の誘致を計画的に進める。
葛飾区は、全国の平均と比較しても、がん・心疾患・脳血管疾患による死亡率が高い上、高血圧や脂質異常症など高齢化を要因とする疾病も増加している。こうした状況に対して、区内医療は、がん放射治療の撤退や廃院による一般病床数の減などにより、各種疾病に対する医療体制が不十分となっている。さらに、脳血管疾患や心疾患などを要因とする後遺症に対するリハビリテーションの需要が高まり、維持期の介護サービスに円滑に移行するための急性期の治療と、急性期・回復期のリハビリ、在宅医療への円滑な流れなど、医療環境の整備が急務な状況だ。